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猟奇歌 夢野久作歌集 中公文庫

Kyusaku Yumeno

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122076372
ISBN 10 : 4122076374
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan

Content Description

何故に
草の芽生えは光りを慕ひ
心の芽生えは闇を恋ふのか

わが胸に邪悪の森あり
時折りに
啄木鳥の来てたゝきやまずも

***

故郷・福岡で、のちに代表作となる幻魔怪奇探偵小説『ドグラ・マグラ』を執筆する合間――夢野久作が手帳に綴り、雑誌に発表した短歌連作「猟奇歌」。
発表以来、独自の言語感覚で静かに読者を魅了し続けてきたその本篇と、関連作品を初めて一冊にした文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉寺山修司

【目次】
猟奇歌
[巻末資料]
日記より
ナンセンス(随筆)
夢野久作の死と猟奇歌――吸血夢想男
「猟奇歌からくり」夢野久作という疑問符――寺山修司

【著者紹介】
夢野久作 : 1889年、福岡県生まれ。本名・杉山直樹(のち泰道に改名)。父は国士・杉山茂丸。慶應義塾大学予科文学科中退後、家業として杉山農園を経営、「九州日報」記者などを経て、1926年、「あやかしの鼓」が「新青年」懸賞二位に入りデビュー。筆名は福岡の言葉で「夢のような、現実離れしたことを考えている人」の意。36年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • keroppi

    「ドグラ・マグラ」を執筆する合間に手帳に綴っていたという。「殺すくらい 何でもない と思いつつ人ごみの中を 闊歩して行く」三十一文字から浮かび上がる恐怖と戦慄。心の中の邪悪なものを描き出す。一瞬ニヤッと笑う自分が怖くなる。夢野久作ならではの歌集である。

  • ひろ

    夢野久作が詠んだ短歌集。過去に『瓶詰の地獄』や途中で挫折した『ドグラ・マグラ』などで、著者の世界観の一端に触れてきたが、短歌になってもその方向性は変わらない。短歌の形式をとることで、装飾が削ぎ落とされて本質的な色が鮮やかに浮かんでくる。昨今のホラー小説にあるような、読者に向けて計算された恐怖ではなく、抑えたくとも内から滲み出てきてしまう猟奇性や異質さが感じられる。短歌の形式上も字余りが多く、漏れ出ている印象が強い。ただ、どこかしらユーモアを含んでいるのが味わい深さを増す。個性を改めて突きつけられた。

  • 澤水月

    「幽霊のやうに/まじめに永久に/人を咀(のろ)ふ事が出来たらばと思ふ」「今日からは/別人だぞと反り返る/それが昨日の俺だった/馬鹿……………」「囚人が/アハハと笑つてなぐられた/アハハと笑つて囚人が死んだ」etc…最高過ぎる!1ページ一首で字下げ工夫など見え。纏めて初の一冊、待ちのぞんでた(青空か、抄録か全集で覗いていた)。寺山修司の解説が大変に面白く更に嬉しい驚き、本人は猟奇趣味と正反対(右翼の大物の子だものなぁ)だとか他歌人の影響とか。これは芳林堂高田馬場店肝煎り刊行の日記も楽しみ

  • 卯月

    『瓶詰の地獄』解説に引用された猟奇歌が素晴らしく、もっと読みたかった。ふと入った書店に、文庫がある! と即購入。〈高く高く煙突にのぼり行く人を/落ちればいいがと/街路から祈る〉〈自転車の死骸が/空地に積んである/乗ってゐた奴の死骸も共に〉〈けふも沖が/あんなに青く透いている/誰か溺れて死んだだんべ〉〈致死量の睡眠薬を/看護婦が二つに分けて/キヤツキヤと笑ふ〉寺山修司の解説で、規範は《啄木の三行書き口語短歌》と読みレイアウトに納得。4行だったり31文字超過したりするが、死を期待する1頁の掌編のような歌たち。

  • うさぎや

    これぞ久作!となる歌の数々。【脳髄が二つ在つたらばと思ふ/考へてはならぬ/事を考へるため】

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