Highlife Roots Revival

西アフリカ・ガーナの「人間国宝」
有名プロデューサーを迎え、奇跡の新作が登場！

　西アフリカのガーナと言えば、フェラ・クティもそのキャリアの初期にパフォーマンスしていた「ハイライフ」を生み出した国として有名ですが、そのルーツとなるパーム・ワイン・ミュージックはアフリカで最初のポピュラー・ミュージックとして知られています。
　「パーム・ワイン」はその名のとおり「ヤシ（椰子）酒」を意味し、そんなヤシの実から作った酒を出す安酒場で演奏されていた音楽だから、その名が付いたのです。その音楽の最古の録音は1920年代後半にまでさかのぼり、２フィンガー・ピッキングで演奏されるギターを中心に、ガラス瓶など流用したパーカッションを伴奏にした歌モノでした。そんな音楽の要素は、当時のガーナを支配していたイギリスの軍隊に所属していたブラス・バンドに影響された現地の楽団も取り入れるようになりました。そうして発展していったガーナ独自の音楽は次第に黒人エリート層に人気を得るようになり「ハイライフ」が生まれたのです。
　そんなハイライフはフェラのアフロビートや、フランコに代表されるコンゴ風ルンバにまで影響を与えた、現代アフリカ音楽の大きなルーツと言えますが、そのまたルーツにはパーム・ワイン音楽がどっしりと根を張っているのです。
　このコー・ニモ（1934年生まれ）はそんなパーム・ワイン音楽をパフォーマンスするアーティスト。といっても、古いスタイルをそのまま保持しているわけではありません。彼は1930年代のパーム・ワイン音楽では使用されていなかったガーナ特有の弦楽器セプレワや、楽器の上に座って演奏する大型の親指ピアノ、さらに数種のパーカッションを加え、この音楽を再び土着化させ、パームワインを生まれ変わらせているのです。そのような伝統を守りながら、さらに“進化”させるという価値ある活動によってガーナ政府からは「人間国宝」と呼ばれています。
　本作はそんなニモのまさかの最新作。数々のワールド・ミュージックの名作を生み出してきたベン・マンデルソンをプロデューサーに迎え、ニモの家の裏庭で録音。それゆえ、開放感のある気持ちのいい録音に仕上っています。これからの季節には愛聴盤になりそうな１枚！（メーカー資料より）