近藤 譲:室内楽作品選集『昼と夜』
1973年以降、一貫して「線の音楽」と呼ばれる方法論によって作曲を行ってきた近藤 譲。1970年代半ばの2曲、1990年代の1曲、そして21世紀に入ってからの2曲、いずれもライヴ録音で5作品を収録。いずれの作品もCD初出。近藤 譲作品を数多く手がけてきたアンサンブル・ノマド、近藤作品の演奏経験豊富なベテラン演奏家と気鋭の若手演奏家の協働による「近藤譲70歳記念演奏会アンサンブル」の演奏によって、この作曲家の全体像がおぼろげながらも追える構成となっています。(メーカー資料より)
【収録情報】
近藤 譲:
1. 視覚リズム法 (1975)〜5つの楽器のための
Violin:手島志保
Banjo:山田 岳
Steel Drum:神田佳子
Electric Piano:篠田昌伸
Tuba:橋本晋哉
Conductor:井上郷子
2. ラスターは彼女に帽子を渡し、そして彼とベンは裏庭を横切っていった (1975)〜3台のマリンバのための
Marimba 1:宮本典子
Marimba 2:安江佐和子
Marimba 3:大久保貴之
3. クイックステップと緩やかな終結 (1996)〜15の弦楽器のための
Violin 1:野口千代光
Violin 2:花田和加子
Violin 3:川口静華
Violin 4:大鹿由希
Violin 5:對馬佳祐
Violin 6:松岡麻衣子
Violin 7:原田亮子
Violin 8:河村絢音
Viola 1:甲斐史子
Viola 2:阿部 哲
Viola 3:齋藤 彩
Cello 1:菊地知也
Cello 2:松本卓以
Cello 3:細井 唯
Double Bass:佐藤洋嗣
Conductor:佐藤紀雄
4. 変奏曲(三脚巴) (2015)〜8つの楽器のための
Flute / Alto Flute:多久潤一朗
Clarinet:武田忠善
Violin:手島志保
Viola:横島礼理
Cello:松本卓以
Vibraphone:松倉利之
Marimba:神田佳子
Piano:井上郷子
Conductor:石川征太郎
5. 合歓 (2020)〜9つの楽器のための
Flute:木ノ脇 道元
Basset Horn / Clarinet:菊地秀夫
Violin 1:野口千代光
Violin 2:花田和加子
Viola:甲斐史子
Cello:菊地知也
Double Bass:佐藤洋嗣
Vibraphone:宮本典子
Piano:中川賢一
Conductor:佐藤紀雄
近藤譲70歳記念演奏会アンサンブル(1,4)
アンサンブル・ノマド(2,3,5)
ライヴ録音:
2017年10月31日 東京オペラシティ リサイタルホール(1,4)
近藤譲 七十歳の経路 「線の音楽」の現在・過去・未来
2021年2月6日 東京オペラシティ リサイタルホール(2)
アンサンブル・ノマド 第71回定期演奏会「ともに生きるvol.3 境界の彼方」
2021年10月11日 東京オペラシティ リサイタルホール(3)
アンサンブル・ノマド 第73回定期演奏会「中心無き世界vol.2 弦が運ぶもの」
2023年2月5日 東京オペラシティ リサイタルホール(5)
アンサンブル・ノマド 第77回定期演奏会「委嘱・献呈作品集vol.3 ノマドの時代」
【アンサンブル・ノマド Ensemble NOMAD】
1997年、ギタリスト佐藤紀雄の呼びかけによって集まった、無類の個性豊かな演奏家によって結成されたアンサンブル。「NOMAD」(遊牧、漂流)の名にふさわしく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリーを自在に採り上げ、斬新なアイデアやテーマによるプログラムによって独自の世界を表現するアンサンブルとして内外から注目されてきた。2002年度に行った第15回定期演奏会「ケージとメシアンの間で交わす自然と宇宙に関する往復書簡」は大きな反響をよび、サントリー音楽財団「第2回佐治敬三賞」を、2014年度に行った第52回定期演奏会「再生へvol. 3:祈り〜エストニアから震災復興を祈るコンサート」により「第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞した。海外からの招待も多く、2000年オランダの「ガウデアムス音楽週間」、2003年ベネズエラで行なわれた「フェスティバル・アテンポ」、2005年11月パリで行われた「フェスティバル・アテンポ」およびイギリスの「ハダースフィールド現代音楽祭」、2007年にはメキシコの「モレリア音楽祭」、また2008年10月にはソウルでの「パン・ムジーク・フェスティヴァル」などに出演。2009年秋には、中国の北京首都師範大学、北京中央音楽学院、四川音楽学院で中国人作品を中心としたプログラムの公演を行ない、好評を博した。2011年には2度目の韓国公演を開催。2013年7月にはエストニアとオランダで公演を開催。2014年にはメキシコの「セルバンティーノ音楽祭」に日本を代表するアンサンブルの1つとして招聘された。2015年12月に再び中国四川公演を行い、2020年には「ライプツィヒ現代音楽祭」にonlineで参加。今後も中国、オランダやフランス、メキシコなどでの公演を予定している。また、近年ではアウトリーチ活動にも積極的に取り組み、保育所、病院、小学校、特別支援学校等で訪問コンサートやワークショップを行なっている。
CDは、これまで近藤譲「梔子」、「空の眺め」、「オリエント・オリエンテーション」、「表面・奥行き・色彩」、石田秀実「神聖な杜の湿り気を運ぶもの」、池辺晋一郎「炎の資格」、福士則夫「花降る森」が発売されている他、藤倉 大の「Turtle Totem」、「Diamond Dust」、「Glorious Clouds」にもライブ録音が収録されている。海外では2011年秋にエベルト・バスケスの「Bestiario(動物寓話集)」、2015年秋に「Pruebas de vida(生命の証)」がリリースされている。2014年にはオリジナル・アルバム「めぐる−Meguru」を発売。2015年夏から秋にかけて発売された「現代中国の作曲家たち」シリーズは、レコード芸術誌の特選盤や朝日新聞の「for your collection」推薦盤に選ばれている。(メーカー資料より)
【近藤譲70歳記念演奏会アンサンブル Jo Kondo 70th Birthday Concert Ensemble】
2017年10月31日に東京オペラシティリサイタルホールで行われた演奏会〈近藤譲 七十歳の経路 「線の音楽」の現在・過去・未来〉に出演した15名の演奏家・指揮者(特定の団体名をもたないが、このCD内に限り「近藤譲70歳記念演奏会アンサンブル」という表記を主催者に了承いただいた)。
近藤譲は1973年以降、一貫して「線の音楽」と呼ばれる方法論によって作曲を行ってきた。音や和音を時系列に並べるが、そこでは揺らめくようなリズム法と鮮やかな音色の対比が凝らされ、聴き手を音の迷宮へと誘う。この方法論ゆえに、近藤の作品は演奏が極めて難しく、その作品の質・オリジナリティに比して十分な演奏機会を得ているとはいえない。同演奏会は、こうした状況に一石を投じるべく、近藤の謦咳に接した演奏家、作曲家、批評家により組織された実行委員会が主催したもの。近藤作品の新しい演奏マナーを生みだし、後世へと伝えていくことを目標に、近藤作品の演奏経験豊富なベテランと、気鋭の若手の協働によって作り上げられたコンサートは、「近藤の美学と手法の結びつきを詳らかにする優れた演奏で存在感を示した」と高く評価された。(メーカー資料より)