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飢餓同盟 新潮文庫 改版

Kobo Abe

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101121048
ISBN 10 : 4101121044
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2006
Japan

Content Description

眠った魚のように山あいに沈む町花園。この雪にとざされた小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命のための秘密結社“飢餓同盟”のもとに団結し、権力への夢を地熱発電の開発に託すが、彼らの計画は町長やボスたちにすっかり横取りされてしまう。それ自体一つの巨大な病棟のような町で、渦巻き、もろくも崩壊していった彼らの野望を追いながら滑稽なまでの生の狂気を描く。

【著者紹介】
安部公房 : 1924‐1993。東京生れ。東京大学医学部卒。1951(昭和26)年「壁」で芥川賞を受賞。’62年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。その他、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど、受賞多数。’73年より演劇集団「安部公房スタジオ」を結成、独自の演劇活動でも知られる。海外での評価も極めて高く、’92(平成4)年にはアメリカ芸術科学アカデミー名誉会員に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    物語は雪の降る夜の花園駅の場面に始まるが、全編を通して、印象的にはずっと夜、あるいは薄明の中に終始するかのようである。そもそも、この花園という地も、ほんとうに他の地域と繋がっているのかどうかも疑わしい。そう、何もかもが胡散臭くさえある小説世界なのである。カフカを、もっと泥臭く土着的にしたような、といえばいいだろうか。また、花井の抱く革命の根幹はアナーキズムにあるようだが、アナーキズムそのものが抱える矛盾を随所に露呈しつつ、挫折してゆく。とすれば、これは夢の崩壊の物語ということになるのだろうか。難渋な作品。

  • 優希

    狂った欲望が蔓延していました。静かな山間の雪に閉ざされた小地方都市で疎外された者たちの革命。「飢餓同盟」の名のもとに団結し、権力に対決するかのように見たユートピア。夢物語だったのかもしれませんが、そこには全てに屈しない力を感じました。巨大な病棟のような町の中で抱いた野望は脆くも崩れ去りますが、強い信念で動いていたのだと思います。そこに人間の滑稽さが活写されているアイロニー。何ともシュールな作品です。

  • かみぶくろ

    権力や体制による閉塞を打ち破ろうと疎外された男たちが闘いを挑む話だが、結局その場でくるくる(狂狂?)コマみたいに回るだけで終わる救いのない話。なんか泣けてくる。主人公の劣等感や疎外のもとが尻尾が生えていること、っていう設定に、軽さと重さを同時に感じた。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    閉塞的でなあなあな村の政治性に反旗を翻し、自律していこうとした花井ら、若者たち。その為の手段も人脈もあり、計画は順調にいく筈だった・・・。自由の為に自律的に行動する事が奨励されると言えども、それが組織化されると自主性・自由性は押さえつけられるという矛盾。そして唾棄し、蔑んでいた者に利用され、手柄を横取りされるという不条理は現実にゴロゴロ、転がっている。そして歯車として搾取される事に疑問を持ち、躊躇う織木に対し、姉を引き合いに出す花井の言葉は利己的である。これは人間性と政治の両立の困難さを象徴している。

  • かえで

    地震の影響で温泉が出なくなり荒廃した町、花園。その町の温泉を復活させ「地熱発電」を計画し革命を目指した、町に馴染めない者たちの秘密結社(7人しかいないけど)「飢餓同盟」のお話。滑稽で残酷な物語。人間の狂気は滑稽さに満ちている、というのがこれでもかと描かれてます。ユーモア満載なのに、それが笑うようなものではない、というのは安部公房らしいです。最後に登場人物が語った数行が、この物語を表し、締めくくっています。飢餓同盟の人達の持つ、人間の狂気って誰しも持っているものです。現実は非現実よりも非現実…ゾッとしました

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