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木久扇の昭和芸能史

Kikuo Hayashiya

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794227522
ISBN 10 : 4794227523
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

人気番組『笑点』勇退後、初めて語る秘話、エピソード満載の人物交遊録!
エノケン、彦六師匠、歌丸さん…。思い出の喜劇人、芸人、俳優たち。
昭和100年を目前に芸能史に詳しい林家たけ平がインタビュー。

木久扇師匠は御年87歳、落語界の重鎮である。人気番組『笑点』の初期からのレギュラーで、今年2024年3月、55年続けた大喜利回答者を降りることにした。本書はこれを機に師匠が見てきた昭和の芸人たちの思い出を、芸能通の林家たけ平氏が長時間インタビューしたものである。東京育ちの生い立ちや芸人人生を縦軸に、氏に大きな影響を与え、印象に残っている落語家、コメディアン、俳優などの人となり、芸風など、エピソード中心に語ってもらい昭和芸能史と呼ぶにふさわしい回想記となっている。

氏は昭和12年(1937)、東京日本橋(久松町)で雑貨商の息子として生まれる。芝居好きの祖母に連れられ浅草などで幼少期より演芸等に親しむ。戦争を機に疎開し、戦後は中央線の西荻窪駅近くでやはり家業の雑貨商の家で育つ。都立中野工業高校から食品会社に就職するも、飽き足らず自慢の画業の才能を活かそうと当時長谷川町子と並んで有名だった清水崑に師事、漫画家を目指す。今でも氏は自身のイラストで個展を開くほどの腕前である。清水崑宅で開かれる宴席で声帯模写などを披露して大いに受けていたところを見込まれ落語家への転身を師より勧められる。はじめは当代一流の三代目桂三木助師匠の下に入門、「芝浜」で賞を受けた名人三木助は病に侵され半年後に亡くなる。三木助師匠の最期、落語界の重鎮たちを病の床に全員集めて死んでいくところを見せようとするエピソードが興味深い。師匠亡き後、林家正蔵(彦六)のもとに引き取られる。これは木久扇師匠の高座でも物まね入りでよく演じられているからご存知の方も多いだろうが、彦六師匠の人柄の良さ・面白さ、落語家としての渋い芸風など、絶品のエピソードが満載。また落語家では『笑点』の盟友ともいうべき桂歌丸師匠の思い出も。

この本では特にお笑い芸人の思い出を中心に語ってもらっている。エノケン、ロッパ、シミキン、トニー谷、堺駿二、てんぷくトリオの三波伸介、コント55号の坂上二郎、横山やすし、そのほか好きなチャンバラスター(嵐寛寿郎や片岡千恵蔵)、豪快エピソードの勝新太郎まで。ほかに寄席や落語界の情景、旅回りなどの珍しい内幕、前座時代のアルバイト、金銭事情なども。また昭和歌謡好きの林家たけ平さんがインタビュアーだけに歌謡曲についての思い出話も多い。最後に当時の若手落語家のよいアルバイト先だったキャバレー回りの話を一章設けているのも本書の特徴である。

本書は林家木久扇という人気落語家の半生記でありながら、師が過ごした落語界・テレビ界の雰囲気、多くの芸能人たちの変わってはいるが愛すべき人柄・芸風などがリアルに感じることができる貴重な大衆演芸史である。

Content Description

[目次]

はじめに

●思い出I(戦前篇)
下町育ち
戦時中の浅草・映画
戦前のラジオ・空襲警報
ごはん粒

●人
エノケン、ロッパ
榎本健一
トニー谷
シミキン・堺駿二
片岡千恵蔵
高田浩吉
勝新太郎
清水崑
桂三木助
三木助から正蔵へ
林家正蔵
田中角栄・横山やすし
コント55号
てんぷくトリオ
三波伸介
桂歌丸

●チャンバラ
チャンバラスター
松方弘樹・近衛十四郎
チャンバラ同好会

●思い出II(戦後篇)
映画館アルバイト
女剣劇
西荻窪の闇市
流行歌
ラーメン・餃子
貸本屋
アメリカ占領下のアルバイト
停電
洋画
戦後のラジオ
テレビ黎明期

●楽屋ばなし
寄席
昭和の名人たち
寄席以外での商売・前座時代
本牧亭
目黒名人会
名人たちの住まい
文治・正蔵の旅
前座時代の副業
布施明、オリビア・ハッセー
レギュラー番組
海老一染之助・染太郎

●キャバレー
キャバレーの達人
ボーナス
キャバレー以外の仕事
ショーの中身
いやんばか〜ん

●木久扇の好きな歌(解説・林家たけ平)
1「東京行進曲」「赤城の子守唄」「東京ラプソディ」「別れのブルース」
2「ジープは走る」「星の流れに」「ちょいといけます」「港が見える丘」
3「憧れのハワイ航路」「異国の丘」「買い物ブギ―」「野球小僧」
4「逢いたかったぜ」「港町十三番地」

昭和百年を前に あとがきにかえて


《著者情報》

林家 木久扇(はやしや・きくおう)
1937(昭和12)年、東京日本橋生まれ。落語家、漫画家、実業家。56年、都立中野工業高等学校卒業後、食品会社を経て、漫画家・清水崑の書生となる。60年、三代目桂三木助に入門。翌年、八代目林家正蔵門下に移り、「林家木久蔵」となる。69年、日本テレビ「笑点」の大喜利レギュラーメンバーに。73年、真打昇進。82年、横山やすしらと「全国ラーメン党」を結成。2007年、林家木久扇・二代目林家木久蔵の落語界史上初の「親子ダブル襲名」。24年3月、「笑点」を卒業。現在、(一社)落語協会相談役・協会会員・(一社)鯨の食文化を守る会副理事・(社)日本漫画家協会参与・ニセコ親善大使など精力的に活躍中。最新著書に『バカの遺言』(扶桑社新書)、『ゴリラとオオカミ・ヤギとゾウのお話 僕のコミュニケ―ションの掟』(山極壽一・きむらゆういちと共著、今人舎)がある。

林家 たけ平(はやしや・たけへい)
1977(昭和52)年、東京都足立区生まれ。落語家。東海大学卒業後、塾講師を経て2001年、林家こぶ平(現正蔵)に入門。05年、二つ目昇進、16年、真打昇進。趣味は昭和歌謡鑑賞とその研究。07年、NHK新人演芸大賞入選。11年、北とぴあ若手落語家競演会、池上落語会、共に大賞受賞。17年、第7回オーディオブックアワード・企画賞受賞。19年、彩の国落語大賞受賞。24年、東海林太郎音楽館・副館長就任。著書に名歌手30名超豪華インタビュー集『よみがえる歌声――昭和歌謡黄金時代』(ワイズ出版)がある。

【著者紹介】
林家木久扇 : 1937(昭和12)年、東京日本橋生まれ。落語家、漫画家、実業家。56年、都立中野工業高等学校卒業後、森永乳業(株)を経て、漫画家・清水崑の書生となる。60年、三代目桂三木助に入門。翌年、八代目林家正蔵門下へ移り、「林家木久蔵」となる。69年、日本テレビ「笑点」の大喜利レギュラーメンバーに。73年、真打昇進。82年、横山やすしらと「全国ラーメン党」を結成。2007年、林家木久扇・二代目木久蔵の落語界史上初の「親子ダブル襲名」を行う。24年3月、「笑点」を卒業。現在、(一社)落語協会相談役・(社)俳人協会会員・(一社)鯨の食文化を守る会副理事・(社)日本漫画家協会参与・ニセコ親善大使など精力的に活躍中

林家たけ平 : 1977(昭和52)年、東京足立区生まれ。落語家。東海大学卒業後、塾講師を経て2001年、林家こぶ平(現正蔵)に入門。05年、二ツ目昇進、16年、真打昇進。趣味は昭和歌謡鑑賞とその研究。07年、NHK新人演芸大賞入選。11年、北とぴあ若手落語家競演会、池上落語会、共に大賞受賞。17年、第7回オーディオブックアワード・企画賞受賞。19年、彩の国落語大賞受賞。24年、東海林太郎音楽館・副館長就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • gtn

    戦中派はたくましい。著者は歌丸師を「全身全霊で落語愛の人」と評する一方、自分のことを「一時間目は落語、二時間目はラーメン、三時間目はマンガ」と分けていたと開き直る。だが、元々新作の噺家だったのに、急に圓朝物に取り組みだした歌丸師を「そういう落語もちゃんとできるんだというのを示したかった」のではと評するにとどまる。その素っ気なさに、著者の矜持を感じる。

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