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春と修羅

Kenji Miyazawa

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784820519942
ISBN 10 : 4820519948
Format
Books
Release Date
September/1999
Japan

Customer Reviews

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大正13年4月20日、宮澤賢治は『心象スケツ...

投稿日:2021/04/25 (日)

大正13年4月20日、宮澤賢治は『心象スケツチ 春と修羅』を自費出版した。部数は初版1000部、定価は2円40銭。この、近代日本における画期的な詩集の登場は、当時の人々の目にほとんどとまることはなく、実際に売れたのは100部ほど。賢治は大半の刊本を、せっせと知人などに贈呈したという第一集を手にするのは、感慨無量である。 『心象スケッチ 春と修羅』は賢治の生前に唯一刊行された詩集として広く知られる。  この詩集を読むと、宮沢賢治の独特の詩の世界が広がる。それは、科学用語や宗教用語が数多く使われていることによる。 「心象スケッチ」と賢治自身が名付けた手法によって書かれ、時間の経過に伴う内面の変容、さらにその内面を外から見る別の視点が取り込まれている。 【序】わたくしといふ現象は 假定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといっしょに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です  上記表題作「春と修羅」の他、「原体剣舞連」「小岩井農場」や妹トシの臨終を題材とした名作「永訣の朝」、そのトシの魂との交流を詠んだ「青森挽歌」「オホーツク挽歌」等の作品がよく知られる。

izkeiske さん | 岡山県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • chimako

    全部はとても読みきれない。何故か……言葉と漢字を辞書で引く回数が多すぎる。表題の「春と修羅」だけ読むのに漢和辞典1回、大辞泉5回。情景を思い浮かべ(難儀)ながら朗読することに5回。それでももう少し分かりたくて筆ペンで書き写す。ー砕ける雲の眼路をかぎり れいらうの天の海には 聖玻璃の風がいきかふー 流れるような言葉で心象を描く。前出の「糸杉」がZYPRESSENというドイツ語で印象的。残念ながらここからは恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』にあるコンクールの課題曲「春と修羅」は聴こえてこなかった。修行が足りない。

  • NAO

    「丘の幻惑」「雲の信号」「芝生」「青い槍の葉」「永訣の朝」など詩として心に残る作品もあるが、賢治の童話の中から切り取られたのかとも思えるような賢治独特のイメージが無限に広がっていくような作品が多く、確かにこれは詩ではなく、心象スケッチなのだなと思う。スケッチとはいうが、賢治の作品は、そこから浮かび上がる映像の美しさだけでなくそこに響いている音も印象的だから、読む者は、身を澄ませて、全身でそれらを感じ取らなければならない。

  • 更紗蝦

    科学技術と宇宙への憧れ、植物への愛着、メルヘンチックな世界観の中に漂う不穏な空気、死後の魂の捉え方などに、なんとなくサン=テグジュペリの『星の王子さま』と通ずるものがあるように感じましたが、『星の王子さま』が暴力性というものを「外向きの加害」(支配・侵略)と捉えて明確に批判しているのに対し、『春と修羅』は「自分の内面にくすぶっているもの」として捉えて「他者を加害(支配・侵略)したい欲望」とは完全に切り離し、「善悪の問題ではなく必然的に存在するもの」として扱っているように思いました。

  • 朗読者

    ヨルシカの修羅からこちらへ。難解。空、山、川、地面などに目を向けて、色、形、季節の移ろいなどについてのつぶやきが詩になっているものがほとんど。オマージュ元の「春と修羅」も難解。修羅は人からは見えない神のようなものか。そして怒っている。そして農夫に見つめられ、俺が見えるのかと驚いている。何度も出てくるツィプレッセンは糸杉(ドイツ語)。なぜ、糸杉か、ドイツ語かよくわからないが、どうやら修羅さんは1列に整然と並ぶ糸杉が好きらしい。難解。

  • マカロニ マカロン

    個人の感想です:B。『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)のなかでコンクールの課題曲として「春と修羅」が出てくる。日本人の作曲家が作り、そのカデンツァの部分をコンテスタントが自由に作ってよいという設定。心象スケッチという副題(?)がついているが、外国語の単語や意味不明なカタカナ語、今ではほとんど使われない日本語も多く、なかなか意味がつかめない。しかし、繰り返し出てくる、雪、雲、森、岩(石)などを想像しながら声に出して読み進むと、どんよりとした岩手の雪空が心に浮かんできた。そして、なんとも心地よいテンポだった。

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