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文学は何の役に立つのか?

Keiichiro Hirano

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000617079
ISBN 10 : 4000617079
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

文学は、私たちの人生や社会に対して、どんな意味があるのだろうか。人間の生を真摯に見つめ、現代の問題群に挑み続ける小説家が、文学の力を根源から問う。大江健三郎、瀬戸内寂聴ら、先人たちの文業にも触れながら、芸術や社会へと多岐にわたる自らの思考の軌跡をたどる。読者を新たな視座へと誘うエッセイ・批評集成。

【著者紹介】
平野啓一郎 : 1975年、愛知県生まれ。北九州市出身。1999年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川賞受賞。数々の作品を発表し、各国で翻訳が紹介されている。2020年からは芥川賞選考委員を務める。主な著書は、小説では『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)『ある男』(読売文学賞受賞)等、評論・エッセイに『三島由紀夫論』(小林秀雄賞受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    平野さんの随筆は、いつも深い思索に導いてくれる。表題の講演で、著者は「「役に立つのか」でなく「価値があるか」と問い直すべき」と語る。役に立つかどうかで二分する現代社会の冷たさへの反問である。ドストエフスキー/森鴎外/安部公房/三島由紀夫/大江健三郎に対する文学論も鋭い。三島さんと大江さんを同時に評価する平野さんに戸惑いを覚えることもあったが、文学者が確乎とした思想を持ち、それを小説という形で社会に問うという意味では、今、平野さんこそが、文壇でのその役割を引き継いでおられるのだろう。味わい深い一冊だった。

  • kaoru

    平野氏の講演録・エッセイ集。コスト・リスク管理が進むと同時に言葉がきわめて混乱状態にある今の世界で文学は「正気を保つために必要」だという。デビューした1998年から大きく変貌した世界に彼は絶えず発信し続けてきた。AIの進化、愛読してきた三島由紀夫への批判、トーマス・マンを好きになったきっかけ、ドストエフスキーの登場人物の分析など聡明かつ明晰な文章が続く。深く胸を打つ瀬戸内寂聴、大江健三郎、ドナルド・キーンへの弔辞やハン・ガン作品への賛辞も。映画『オッペンハイマー』と原作を対比させ林京子がロスアラモス→

  • いちろく

    タイトルに惹かれて。著者が方々に寄稿したエッセイや批評と、講演録を収録した内容。あとがきによれば、時期的には『本心』から『富士山』の頃が該当し、同時期に社会問題について論じた別本が刊行されるので、本書では文化・芸術論に特化した内容との記載もあり。改めて感じたのは、文化・芸術論に特化した内容と言いつつも、著者の記述には政治や社会問題が他の作家よりも切っても切れないモノであるという印象だった。もちろん「分人」についての記載もある。タイトルの問いに対しての著者からの返答には、頷くモノがあった。

  • akihiko810/アカウント移行中

    小説家・平野の、エッセイ、弔辞等がまとめられた一冊。「文学は役に立つのか」というテーマの講演。印象度B  平野 啓一郎 は、小説は未読で、「私とは何か――「個人」から「分人」へ」という新書を読んだだけだが。本作も、このような新書で、ずばりのテーマに対する答えが書かれている本かと思っていたのだが、講演原稿の書き起こしだった。問いに対しての答えもはっきりとは出していない。 さて、「文学(というかアート全般)くらい、役に立たなくてもいい。面白ければいい」と私は思っているのだが(そして、これが世の(続

  • フム

    図書館本。タイトル通りのものは冒頭のみ、幅広いテーマの批評やエッセイがまとめられている。三島や鴎外、大江健三郎、ドストエフスキーなどさまざまな文学に対する筆者の批評を読み進める中で、タイトルの問いが反芻されてくる。筆者は文学によって正気が保たれているという。文学が救いになる、というのはわかるし、役に立たないものだとしても価値があると言い続けることが大事だというのは、その通りだと思う。たくさんの文学作品、文学者への言及があって、メモを取りつつ読んだ。

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