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クララとお日さま

Kazuo Ishiguro

User Review :4.5
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152100061
ISBN 10 : 4152100060
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱な少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。

【著者紹介】
カズオ・イシグロ : 1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育つ。その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イーストアングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞した。1989年発表の第三長篇『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている。2017年にはノーベル文学賞を受賞。2018年に日本の旭日重光章を受章し、2019年には英王室よりナイトの爵位を授与された

土屋政雄 : 英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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人工知能、ロボットといった今っぽいテーマ...

投稿日:2021/06/12 (土)

人工知能、ロボットといった今っぽいテーマが扱われているが、結局はいつものカズオイシグロの世界が展開されていて、安心して読める。けど、先も見えるというか、驚きも少ない。らしさを失わずに、新たな局面も見せてほしいなぁと思った。もっと名作かけますよ。期待してます。

いえつん さん | 東京都 | 不明

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今回のタイトルはめずらしく明るく可愛いの...

投稿日:2021/03/06 (土)

今回のタイトルはめずらしく明るく可愛いので、ものすごく売れると思う。人と人、人と動物、人と機械、人と次は、、、カズオイシグロの作品に共通しているテーマは、新しい時代の潮流の受容と去りゆく時間、消しがたい過去の記憶の間に生じる葛藤の克服だと感じる。冷静にならんともがくことが人間の心で、そこが文学的なのである。そして、彼の作品に溢れる想いと読者にもたらされる救いは、作品の主題や結末が決して明るいとは思えない時でも、明るい未来を感じさせる希望が残ることだと思う。希望こそが最後に残るものだ。The Remains of the Day、An Artist of the Floating World 然り、小作品に至るまで、彼の作品を読むたびに、私たちが自らが歩んだ過去を正しくつかみ、しっかりと現実を見つめ昇華して乗り越え、明るい未来を築くことの大切さを感じる。家族関係ですら希薄になりつつある現代社会、年齢、性差、モノを超えて、私たちが確かな信頼関係を築く鍵は、契約やプログラムではなく、感じるという人間的な心しかない。それこそが愛だ。畢竟、私たちは、人として、自立、自律することの大切さと使命をさらに背負って生きてゆかなければならないのだ。

jamyokka さん | 富山県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    カズオ・イシグロは、新作中心に読んでいる作家です。ノーベル文学賞受賞第一作の本書は、AF(Artificial Friend;人工フレンドの略、太陽光発電で動くAI機能を持つ人工知能搭載ロボット)SFファンタジーの秀作でした。思ってるほどロボットの技術は進んでいないので、こういう世界は50年後位かも知れません。 https://www.hayakawa-online.co.jp/new/2020-06-16-220515.html

  • zero1

    イシグロは【追憶の作家】。本書も同じだが階層社会と【祈り】を描く(後述)。誰かが他人を想う時、結果だけがすべて?それは違う。祈ることが崇高で大きな意味を持つ。AI搭載のロボット、クララは病弱なジョジーのAF(人工親友)に。文学の大命題は【人とは何か】を描くこと。イシグロは人でないクララの視点でそれを描く。400ページを超える長編だが、もっと読んでいたい。作品世界にもっと浸りたい。そう思わせる作品。読んで損なし。英米日など3月2日に世界同時発売。イシグロと同じ時代に生きていることを幸福に思う。

  • tokko

    優秀なAI(アンドロイド)と不完全な人間を描くことで「人間らしさとは何か?」という問いを、これまでのSFでは度々取り上げてきました。けれど本作ではもっと突っ込んだところまで問いを深めます。「突き詰めれば人間とは情報の集積なのではないか?」という問いに、今の人類は「イエス」とも「ノー」とも答えられません。でもクララは彼女なりの答えを見出します。近未来の、高度に発達した科学技術社会が描かれているはずなのに、どこかノスタルジックな情景が目に浮かぶのはさすがカズオイシグロさん。やさしい文体で上品なSFです。

  • Sato19601027

    エゴ・格差・差別・喧噪、人間の社会は実に醜い。この物語の主人公はAIロボットのクララ。思春期の子供達の友人としてプログラムされた人工親友(AF)だ。世の中を観察し、人に寄り添い、お日さまに祈りを捧げる。自己犠牲の精神を持ち、勇気もある。クララの純粋な心を通して見ると、人間の醜さが一層、際立つ。少子高齢化が進み、子供の世界や介護の世界にAIロボットが進出する日も近い。ロボットが心を持つ近未来社会は、クララが願うような光に溢れる平和な世の中になっていて欲しい。(カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後第一作)

  • けいご

    カズオ・イシグロさんごめんなさい!正直あんまり面白くなかったw人工知能のロボットが語る人生物語ってとこは斬新だったんだけど、語り手のクララがAFだからなのか心の距離が遠かったな〜(多分これは著者がワザとやってるんだろうけど)。もしもロボットが人間と当たり前に住むようになり、廃棄され続ければいつかは高度なAIが憎しみと言う感情までも再現し始めたなら人間と機械の溝が深まって最終的には手塚治やターミネーターの世界になっちゃうのかな〜。意識があるまま廃棄されたクララやその他のAF達が心配だね?

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