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銀の匙 新潮文庫

Kansuke Naka

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101205717
ISBN 10 : 410120571X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2016
Japan

Content Description

古い茶箪笥の抽匣から見つかった銀の匙。忘れられていたこの小さな匙は、病弱だった私の口に薬を入れるため、伯母さんがどこからか探してきたものだった…。その愛情に包まれた幼少期、初めての友達・お国さんとの平和な日々、腕白坊主達が待つ小学校への入学、隣に引っ越してきたお〓(けい)ちゃんに対する淡い恋心、そして、少年から青年に成長するまでを細やかに回想する自伝的作品。

【著者紹介】
中勘助 : 1885‐1965。明治18年、東京神田生れ。一高をへて東京帝国大学英文科入学、その後、国文科に転じる。高校、大学時代、漱石の教えを受けた。信州野尻湖畔で孤高の生活を送っていたが、父の死と兄の重病という家族の危機に瀕し、1912(明治45・大正元)年、処女作『銀の匙』を執筆、漱石の強い推薦で「東京朝日新聞」に連載された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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夏目漱石が絶賛したからは分からないが、妙...

投稿日:2021/04/14 (水)

夏目漱石が絶賛したからは分からないが、妙に世評が高いので、読んでみた。ノスタルジックに書かれたエッセイという感じで、特に可もなく不可もなく。これなら夏目漱石を読破したほうがいいぜ、と思った。まぁ、夏目漱石を読んでない人がこの本に興味を持つこともないでしょうが…

いえつん さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    生まれた頃から、大人になる少し前くらいまでの事をつらつらと書いている。どうってこともないのだが、所々に目がとまり、成る程と思う事が多い。お地蔵さんの話。伯母からの愛、慈しみ。思春期になったら恩を忘れたように縁遠くなるが、決して忘れているわけではない。亡くなる前には会いに行っている。伯母は、彼が可愛い頃に思い切り可愛がったのだから、その思い出を抱えて幸せであったろう。漱石がこの文を絶賛したということを聞いて、なるほど伯母はお清の原型となったのかなと思う。

  • 新地学@児童書病発動中

    最近日本語の本はまったく読んでいないので、良い気晴らしになった。自分の故郷に帰ってきたような気持だ。英語の本に飽きたら、また読もう。

  • s-kozy

    「読めてよかった」、それが第一の感想。「なんでもっと早く読まなかったんだろう?」という思いが次に湧き上がってくる。非常に端正な日本語で綴られた文章の美しさを味わうことのできる小説だ。幼少期から青年期までの折々を描いた「私小説」。一字一句が丹念に選ばれており、文章が作るリズムが心地よい。ゆっくりと読了して読めたことの「満足感」、もっと早く読むべきだったとの「後悔」、読まずに死なずによかったという「安心感」を味わっている。

  • NAO

    夏目漱石が絶賛したというエッセイ。病弱で、あまりにも多感で、過保護なおばさんに溺愛されて育ったとても男の子とは思えないような主人公。少年の頃は、さぞ生きづらかっただろうと思う。繊細な感受性がとらえた、日常のものたち、ちょっとした遊び、自然の移り変わりは、はかなく、淡く、前編は、夢の中の出来事のようにどこか物悲しい。後編は、十三、十四の自然描写のなんと美しいことか。美しい自然を愛し「すべてのものはみな若く楽しくいきいきとして、憎むべきものはひとつもない。」といえる幸福感がうらやましい。

  • アキ

    古い茶箪笥の抽斗から見つかった銀の匙で始まる回想。小箱の蓋をするとき、ぱんとふっくらした音が耳元で聞こえてくるよう。子ども時代、明治の頃の神田の街や屋敷の風情が甦る。伯母と遊んだ夏の夕暮れ、夜店のほおずき屋、子供の日の遊び、隣に越してきたお惠ちゃんとの甘い思い出と突然訪れたせつない別れ。後編での思春期の苦悩と兄弟との確執、伯母との再会と死に至るまで、あくまで抑制された表現と情景の描写が彼の素朴な心情をむしろ際立たせている。大正6年上梓。現代の日本家屋ではもう既に喪われてしまった日本の叙情がそこにある。

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