Made In The Manor

■　ロンドンのイースト・エンド出身のラッパー、KANO。2005年に『HOME SWEET HOME』でアルバム・デビューを果たした彼が、デビューから10年、最新作となる『MADE IN THE MANOR』を引っ提げてシーンに戻ってきた！既にアルバムは全英アルバム・チャートで8位初登場を果たしている。

■　待望の新作『MADE IN THE MANOR』は、Fraser T Smith、Rustie、Mele、Mikey J、Blue May、Zeph Ellis、Swifta Beaterらをプロデューサーに迎え、2015年にロンドンでレコーディングされた。本作でKANOは、自分のルーツであるイースト・エンドを振り返りながら、今日のロンドンのインナー・シティを描き、さらには近い未来に潜んでいるであろう問題をうっすらと匂わせている。その中には子供時代に見た光景や、個人的な葛藤、家族や友人との関係や絆が時を経てどう変化、成長していくなど、様々なテーマが潜んでいる。つまり本作はKANOがこれまでレコーディングした中で最も率直なアルバムであり、彼の人生の「リアル」を詰め込んだ1枚なのだ。

■　アルバムからの1stシングルは「3 Wheels-Ups」。Kano、Wiley、Giggsによる男気溢れるラップの応酬に、Swifta Beaterの奥行のあるプロダクションによるリフレインが印象的な1曲である。

■　また「Deep Blues」ではBlurのデーモン・アルバーンをフィーチャー。彼と知り合ったきっかけは、Gorillazでのコラボレーションだったそうだが、Kano曰く、本作におけるデーモンの貢献は、フィーチャリング・アーティストとしてだけでなく、アイディアの発展のしかたや、トラックのエディットや、アルバムを制作する上での様々なヒントやアドバイスでも大きな役割を果たしてくれたという。

■　サウンド・プロダクションの面でも、生のドラムやギター、ピアノやベースなどを取り入れたインストゥルメンテイションにより、アルバム全体に統一感で生まれ、クラブでプレイしても、ライヴでパフォーマンスしても同じように映える作品に仕上がっている。