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小さな神のいるところ

Kaho Nashiki

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784620328461
ISBN 10 : 4620328464
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2025
Japan

Content Description

まっすぐに見つめる。止まらぬ気候変動、消えゆく懐かしい景色。日常を超えた領域を流れる〈もうひとつの時間〉…自然の一部である私たちの核心を追うエッセイ。

目次 : 第一章 眠っている種(時間をかけて、取り戻す/ 何を見ているのか/ 人には見えない場所で)/ 第二章 逡巡(繰り返すのか/ 藪のなか/ 冬の群れ)/ 第三章 細胞の記憶(わかりたい気持ち/ 忖度と思いやり/ 新しい気づき)/ 第四章 秘密の通路(知床岬携帯電話基地局/ もっと豊かに/ 生きる力の痕跡/ 冬に向かう)/ 第五章 もうひとつの時間(アジアの天気図/ スープのこと/ 行きずりの縁/ 小さな神のいるところ)

【著者紹介】
梨木香歩 : 1959年生まれ。小説に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『家守綺譚』『沼地のある森を抜けて』『f植物園の巣穴』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『海うそ』『椿宿の辺りに』など (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    梨木 香歩、3作目です。八ヶ岳の山小屋に通う著者の自然共生エッセイでした。野鳥の凶暴さも、恐竜の末裔ならではかも知れません。手付かずの大自然の中に、小さな神は、宿っているはずです。 https://mainichibooks.com/books/essay/post-744.html

  • アキ

    本屋で著者の新刊を見て、早速読んだ。八ヶ岳の山小屋での暮らしを中心にしたエッセイ。野鳥観察や自然の中に暮らす動物や植物のみならず、旅行の最中に読んだ本のことや生まれ故郷の南九州で体験したことなど、端正で真っ直ぐな著者の文章が心地よい。生き物を擬人化して会話しているのを読むと「冬虫夏草」や「家守綺譚」を連想する。父親の死後4年経過してからのメッセンジャーナースとのやり取りや、香港の美術館M+を訪れた際の体験談などは行ったことがあるので個人的に興味深く、これからも新刊が出たら読みたい作家さんのひとりです。

  • kaoru

    八ヶ岳の山荘と東京の自宅を往復する日々のなかで梨木さんは鋭い感性に満ちた文章を紡ぐ。関東大震災から100年の2023年に『関東大震災 文豪たちの証言』を読んで志賀直哉の日記文に戦慄を覚え,佐多稲子が書いた平常心を手放さない人々への感銘を記す。山荘に来る鳥たちの描写。鳥類学者の樋口広芳教授の知恵を借りることについて「鳥の生態を知ることは…私達自身の人間としての存在基盤に繋がることでもある」。風力発電機のブレードで犠牲になったオジロワシの描写。温暖化が進み周囲の自然が確実に変化していくことが何度も綴られる。→

  • のぶ

    四季の移ろいが知的で美しい文章で綴られていて、読んでいて心地いい。いろいろな話題が掲載されているが、特に八ヶ岳での山小屋の描写がよかった。様々な野鳥が訪ねて来たり、動物や虫たちとの触れ合いにも心動かされた。自然の中で暮らすことの素晴らしさを感じ取る事ができた。

  • ちゃちゃ

    命あるものへの深い愛と祈りが伝わってくるエッセイ集だ。八ヶ岳の山荘で過ごす日常から、生き物や自然、地球環境へと視野は広がり、注がれる視線は鋭く熱い。時代とともに環境が変化(悪化)し、次第に消えてゆく「小さな神さま」。土着の動植物(生態系)が徐々に多様性を失って姿を消してゆくことへの危機感、焦燥感。「小さな神さま」が鳴らすかそけき警鐘。その音を耳を澄まして聞き取ろうとする姿勢が今私たちに求められているのではないか。日常を見つめる細やかな感性が問われるのだと、彼女のまっすぐな眼差しに、ふと我が身を省みた。

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