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わが胸の底のここには 講談社文芸文庫

Jun Takami

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062902830
ISBN 10 : 4062902834
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
高見順 ,  

Content Description

私は己れを語ろうと決意した。憎悪すべき己れの過去を―。終戦直後に四〇歳を迎えた著者は、肉体の衰えと、あらゆる情熱の喪失に愕然とする。再び生命の火を燃やすため、過去の自分を苛酷なまでに暴き、白日の下に晒すのだ。出生の秘密を剔抉し、幼少期から旧制中学時代までを厳しい眼差しと筆圧で回想した自伝的小説の傑作。自己の精神形成を追求する、著者の代表作を初文庫化。

【著者紹介】
高見順 : 1907・1・30〜1965・8・17。小説家。福井県生まれ。1908年母とともに上京。24年第一高等学校に入学し、25年同人雑誌「廻転時代」を創刊する。27年東京帝国大学に入学し、28年左翼芸術同盟に参加。32年治安維持法違反により検挙される。35年から文筆業に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • スノーマン

    暗い話は嫌いではないけど、あまりにもウジウジと自己の意識を見つめ煮詰まりすぎているので、読んでいて疲れた…。幼いからといって誰もが無邪気ではなく計算したりプライドあったりして大変なんだよな…。私も変に小賢しい子供だったと思うけど、その時に空気読んだり周りに気を使ったりしてそのパワーを使い果たしたのか今は結構無神経(笑)それにしても、校長のあだ名が良かった。逆蛍のギャボ!(笑)ビカーンとその校長が浮かび上がるようだった。

  • みや

    40歳を迎えて自身に訪れた「突然の老衰」への強い危機感に突き動かされ、奮起を期して出生から府立一中時代までの自己形成の軌跡を総括する自叙伝。文士らしく過去の自分の内心を抉り取り、時おり逡巡しつつも赤裸々に記していく。幼少期から思春期にかけての過剰な自意識や複雑な羞恥心は誰もが抱くものだろうが、著者のそれは質的にも量的にも尋常でなく、そのうえ自覚的・自嘲的であるところに特異さがある。読むほどに、懇切丁寧で破綻のない文章に生真面目さを感じるし、たまに現れるストレートな自慢話には愛おしさすら覚えた。

  • Lieu

    出生の秘密と過去の様々な恥と、そうしたことを告白することへの羞恥が混ざっていて、「可哀想な私」に浸ることのできない、自己に対するメタ的な視点を持たずにはいられない、インテリの宿痾を感じた。とはいえ冷たく狡い感じではなく、知性と感性を総動員して自己を剔抉しようという熱量が感じられ、百年前のことなのに読んでいてとても人ごととは思えなくなる名作である。

  • くまこ

    時代は違っても子供の頃に考えていることは皆同じなのかなと思った。悲しさとおかしさが背中合わせになっているような感覚で、笑いながらも少し鼻がつーんとするようなそんな感じがした。創作も入っているのだろうが自己のさらけ出し方が潔くてこれこそが作家というものだと思った。

  • Wataru Nakazawa

    高見順の浅草ものは読んだことがあるが、幼少年期を扱った本作は初読。どろどろと暗いが、一方で自分に対する矜恃もうかがえて素直に共感できない。と思っていたら高見順の娘の夫が文部科学大臣になった。

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