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天下を買った女

Jun Ito

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041121696
ISBN 10 : 4041121698
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan

Content Description

室町幕府の力が衰えた乱世の時代。八代将軍の足利義政に嫁いだ日野富子は「銭」すなわち「経済」の力で平和をもたらすことを決意する。俊英・伊勢新九郎らの知識を借りて幕府の立て直しを目指すが、未曾有の戦「応仁の乱」が勃発。戦を鎮めようと奔走する富子の努力が、家族である足利の男たちとの間にも亀裂を生んでいく。孤独な闘いの果てに、富子が手に入れたものとは?北条政子と並び立つ、「強き御台所」日野富子。応仁の乱を鎮めようとした悪女の実像を描く歴史巨編。

【著者紹介】
伊東潤 : 1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞を、『国を蹴った男』(講談社)で第34回吉川英治文学新人賞を、『巨鯨の海』(光文社)で第4回山田風太郎賞と第1回高校生直木賞を、『峠越え』(講談社)で第20回中山義秀文学賞を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • W-G

    日野富子の立場や行動原理が、『修羅の都』の北条政子と、あまりに似かより過ぎていて、どちらを先に読んだかで、評価に違いが出そう。私としては、日野富子の方が若干行動的で、物語の起伏もあることで、こちらの方が好き。実際の歴史と見比べると、都合良く解釈している部分もあり、日野富子を知らず、余計な先入観がない方が、ひょっとすると楽しめるのかもしれない。特に、義政の死後、義視や義材との間には、もっと色々あったはずなのに、物語に嵌め切れなかったのか?と勘繰ってしまうほど、あっさりした説明だけで流されている。

  • starbro

    伊東 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。日野富子は知っていますが、彼女が主人公の物語は初読です。凄まじい時代を生きた女傑の物語、「天下を買った女」というよりも「貸金業の女」でした(笑) https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000594/

  • とん大西

    室町カネゴン、稀代の守銭奴にして悪女。それが日野富子の印象(大河では三田佳子さん。人物相関がややこしくて途中で見るのやめましたが)。力を蓄えた大名と権勢欲にまみれた幕閣が牛耳る応仁の世。もはや将軍の威厳も塵芥。荒れる都に飢える民。そんなカオスな時代。御台所・富子の役割は…。財務大臣から街金まで。スーパーマネープロデューサーの劇中の彼女。それでいて慈愛に溢れ乙女な面も。聡明だったことは確かでしょうが、ホントの素顔はどうだったのでしょう。戦国時代に加速させたのか、僅かな静謐に助力したのか。趣のある一冊でした。

  • のぶ

    日野富子の生涯を描いた作品。読んでみて富子本人や応仁の乱の元凶になった史実は知っていたが、それ以外の生涯については知らない事が多く、本書を読んで改めて知る事が多かった。応仁の乱は、富子が足利義政との間に最初三人の女児を生み、その後で男児を生んだところからその跡継ぎ問題が事の始まりだが、本当の事情はかなり複雑で、読んでいても難しかった。歴史上の悪女のイメージが強かったが、実際は経済にも明るく、当時の世の平和を願っていた人物だと知り、印象がかなり変わった。伊東さんの描く人物はいつも分かり易くて良い。

  • のぶのぶ

     日野富子や応仁の乱のことを知っているようで、知っていない。今回、読んで流れを知る機会になった。伊勢新九郎(後の北条早雲)とともに銭貨を稼ぎ、富子なりに乱を沈めていく。土倉や酒屋、日明貿易による銅銭事情を知る。ここは、教科書だけではイメージできなかったところ。帝、将軍がいても、力がなく、乱をおさめられない嘆き。権力闘争、跡継ぎ問題、別荘を建てるなど、よくはならない。富子自身も帝と関係を持つ。一人で頑張っているが、頑張りきれない。著者の真骨頂、北条氏に繋がる0(ゼロ)の物語。北条早雲に繋がる。

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