今や中堅ジャズピアニストに名を連ねる古谷淳の初期作品。 長い在米生活から日本に拠点を移して間もない古谷の瑞々しいオリジナル曲が素晴らしい。ファーストアルバムexprimoの古谷淳トリオにボストンバークリー音楽院の後輩吉本章紘（ts）と後に日本人初の本家blue noteレコードと契約を果たす黒田卓也（tp）が古谷へのリスペクトを素晴らしい好演で表現している。

ピアノカルテットが切り拓く新しい日本のジャズシーン。 16歳で渡米し15年の在米生活と音楽活動歴を持つリーダー 古谷 淳（pf）のオリジナル曲の叙情的な美しさと、現在の日本のジャズシーンで活躍する個性豊かな面々が全身全霊で惜しみなく紡ぎ出すサウンドに心が震える１枚です。

まず美しいジャケットに魅かれますが、それ以上にこの瑞々しい音楽、素晴らしいです！ 疾走するテンポを自在に泳ぐ1曲目、叙情的な旋律を感情に流されることなく、それでいてリリシズムを湛えて歌う2曲目、圧巻のソロピアノ3曲目「Over the Rainbow」・・。 ハイライトは石垣島の民謡「えんどうの花」でしょう。 ナチュラルに、そして次第に高められるトリオの演奏は絶品です！ 独自の感性と誰もにアピールできる普遍的な魅力を併せ持った1枚、ピアノトリオファンの皆様見逃し厳禁です。