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ISBN 10 : 4062196948
Content Description
ヒット作『家裁の人』で一躍人気マンガ原作者となりながら、著者は、その成功を素直に喜べない自分に出会う。現実離れした人物像を『家裁の人』の主人公にしてしまったことに苦しみ、戦後の裁判所のねじれた歴史に巻きこまれた思いを強めていたからである。矛盾の多い法曹界の戦後史を追跡し、中津少年学院で篤志面接委員となり、宮本常一の仕事を追いかけ“忘れられた日本”の風景を歩むなかで、司法現場と世間の感覚とのズレを実感するようになった著者が突き当たったのが、戦後の少年法が抱える問題である。
第一部「少年法をめぐる戦後」では、少年法の成り立ちと戦後社会との関係を検証するとともに、神戸児童連続殺傷事件や光市母子殺害事件の現場のフィールドワークをおこない、非行少年の更生に携わり大きな実績を挙げる野口義弘・藤岡克義両氏への取材を敢行することで、戦後少年法が孕む本質的な問題をわかりやすく、かつ鋭く抉り出す。
少年法への無知、無理解が、ピント外れの「少年法叩き」を生む日本社会の現状を嘆く著者に、二〇一四年夏、末期の食道がんが見つかる。すでに肝臓、リンパ節、肺にも転移していた。佐世保高一同級生殺害事件が起きたのは自身のがんを知った直後である。がんにおかされた病床で著者は生と死を見つめ直し、「佐世保の君」に贈る最期の言葉を紡ぎ始める。事件の背景、少女が犯した罪への考察は、物語で「少年の心の痛みを書く」ことこそミッション――『家裁の人』執筆は運命――だった自身への気づきとも重なっていく……。少女への問いかけを通し本当の更生とは何かを考え、人が生きて在ることの根拠を見つめる(第二部「佐世保の君への手紙」)。
【著者紹介】
毛利甚八 : 1958年長崎県佐世保市生まれ。日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、ライターとして活動。1987年より漫画『家栽の人』(画・魚戸おさむ、小学館)の原作を担当する。1994年より1998年にかけて民俗学者・宮本常一の足跡を追う旅を行い、『宮本常一を歩く』(上・下、小学館)を上梓。2001年より大分県に住まいを移し、地元の少年院で月に1回ウクレレを教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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KAZOO
読了日:2017/12/09
Y2K☮
読了日:2015/12/30
しいたけ
読了日:2015/12/20
さなごん
読了日:2016/04/16
R
読了日:2016/10/31
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