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歌え、葬られぬ者たちよ、歌え

Jesmyn Ward

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861828034
ISBN 10 : 4861828031
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

アメリカ南部で困難を生き抜く家族の絆の物語であり、臓腑に響く力強いロードノヴェルでありながら、生者ならぬものが跳梁するマジックリアリズム的手法がちりばめられた、壮大で美しく澄みわたる叙事詩。現代アメリカ文学を代表する、傑作長篇小説。全米図書賞受賞作!

【著者紹介】
ジェスミン・ウォード : ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネー・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得。『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing,Unburied,Sing)』(2017年)と『骨を引き上げろ(Salvage the Bones)』(2011年)の全米図書賞受賞により、同賞を2度にわたり受賞した初の女性作家となる。自伝『私たちが刈り取った男たち(Men We Reaped)』は全米書評家連盟賞の最終候補に選ばれたほか、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞および公正な社会のためのメディア賞を受賞。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る。ミシシッピ州在住

石川由美子 : 琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    魂に触れてくる。幼い子たちが愛おしくて仕方なく、その母親のことは自業自得ではないかとあきれ憎むほどだったが、徐々に昇華していった。祖父とリッチーの声が重なるところの衝撃は、彼らのつらさへの想像力となった。こんな状況でも、やはり子供たちは希望であると思えてならない。p258「そういうのは、むごい死に方をした時だけのはずだから。残酷な死に方。昔の人はよく、ある人の死に方がむごすぎて、神様でも見ていられないような時は、魂が半分だけ後に残されるんだと話していたよ。魂の平和を求めてさまようんだって」

  • ちゃちゃ

    愛と赦しに満ちた静かな祈りの歌声が聞こえてくる。中空に浮いて、生死の狭間で泣きながら彷徨う「葬られぬ者たち」のもとに…。本作はアメリカの南部を舞台に、十三歳の黒人少年のジョジョ、その母親レオニ、死者であるリッチーの視点から物語られる。叫びのような痛切な語り口によって、人種差別、貧困、格差、暴力、ドラッグ…と、現在の“豊かな国”アメリカが抱える暗部を容赦なく浮き彫りにする。苛烈な死の実相から、逆に私たちの心に迫ってくるのは、命の尊厳や愛の深さだ。<イエス>、帰るべき場所へと魂を導く鎮魂歌。まさに傑作だ。

  • buchipanda3

    冒頭から引き込まれ、最後までぐいぐい読ませる筆致力を堪能した。少年ジョジョがヤギの死と対峙する。むせかえるような生と死の臭いが漂う中、この現実を生きるため目の前のものに目を背けてはいけないと自ら言い聞かせているような姿が強く印象に残った。アメリカ社会の人種差別は彼の家族を傷つけ、それが元ですれ違いが起こる。それでも家族それぞれが不器用にも愛情を垣間見せる姿に人間臭い血の通ったものを感じた。間を取り持つケイラの存在がいい。不思議な要素は物語に奥行きのある抒情的な情景をもたらしていた。題名がリフレインする。

  • nobi

    これは読むべきではなかったかも、と思うような血生臭い強烈な出だし。その後も半分壊れたような、アメリカのその階層にあっては特別で無いのであろう日常生活のシーンが続く。育児放棄した如き黒人の母親、黒人を受け容れない白人の父の父母、泣きわめく妹、炎天下の刑務場を体験している祖父と父…。根強い黒人への差別感情がその捌け口を求めて爆発する目を逸らしたくなる場面も。それでも読み続けてしまうのは、例えば同じ車に乗り合わせているような感覚を齎す揺るぎない言葉の故か。祖母と亡魂が家族の前で生死の境を行き来する臨場感が凄い。

  • (C17H26O4)

    人種差別、ドラッグ、ネグレクト、暴力……。負の連鎖が容赦なく描かれ、つらく苦しくなる。一家の親子間に愛情が無いわけではない。だが、断ち切ることができない、改めることもできない現実。問題は根深い。浮かばれない亡霊たちとの交流というファンタジーを織り混ぜて書かれているところに、とてつもない重さを感じる。次の世代に希望を託すのは常であろうが、重過ぎる現実を背負い、希望を引き受けるのが子供たちだということがやるせなくてたまらない。ラスト、まだ幼い女の子の祈りと鎮魂の歌が凄い力を持って迫ってくる。

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