Books

スペインの家 三つの物語 白水uブックス

J M クッツェー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560072448
ISBN 10 : 4560072442
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

クッツェーが南アフリカからオーストラリアへ移住して、ノーベル文学賞を受賞した時期に書かれた珠玉の三篇。それまでの暮らしに別れを告げて国外に移り住む心づもりを皮肉とユーモアを交えて描く「スペインの家」。幼い頃から暮らした土地への“失われない”愛と惜別の思いが滲む「ニートフェルローレン」。かつてはイギリスの植民地だった土地で生まれ、英語を第一言語として育ち、英語で作品を書くクッツェーが、ロビンソン・クルーソーの物語と自身の体験を寓意のなかに織り込んだノーベル文学賞受賞記念講演「彼とその従者」を収録。

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、ケープタウン生まれ。16歳のとき写真家を志すが断念。ケープタウン大学で文学と数学の学位を取得して渡英、コンピュータ会社で働きながら詩人をめざす。65年に奨学金を得てテキサス大学オースティン校へ、サミュエル・ベケットの文体研究で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、永住ビザがおりず、71年に南アフリカに帰国。以後ケープタウン大学を拠点に米国の大学でも教えながら執筆。初の小説『ダスクランズ』を皮切りに、南アフリカや、ヨーロッパと植民地の歴史を遡及し、意表をつく、寓意性に富んだ作品を発表して南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的な文学賞を多数受賞。83年に『マイケル・K』、99年に『恥辱』で英国のブッカー賞を史上初のダブル受賞。2003年にノーベル文学賞受賞。大都会には住めないと、02年から南オーストラリアのアデレード郊外に住み、14年から「南の文学」を提唱して、アルゼンチンを拠点に南部アフリカ、オーストラリア、ラテンアメリカ諸国をつなぐ新たな文学活動を展開する

くぼたのぞみ : 1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。著書に、『J・M・クッツェーと真実』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • たま

    収録の3編はどれも短く、本と言うより小冊子だが内容は面白かった。訳者解説によれば2000年頃の作品でクッツェーにとっては転換期だと言う。『鉄の時代』で非常に気難しく生きづらい道をあえて選ぶ作家と言う印象を受けたが、ここではフィクションとは言え、好みの家を買って手入れしたり(「スペインの家」)、友人夫妻とドライブしたり(「ニートフェルローレン」)、穏やかな生活が描かれている。ノーベル文学賞記念講演「彼とその従者」はロビンソン・クルーソー物語になぞらえ創作について語る。

  • fwhd8325

    物語と言うよりも、エッセイのような印象でした。短編が3作品。翻訳をされたくぼたのぞみさんの解説を読んで、納得することも多くありました。

  • 榊原 香織

    ボーア人といっていいのかな 英語に対しては複雑な思いがあるらしく、先にオランダ語、スペイン語で次作を発表したりする。 短編3つ。 最後のはロビンソン・クルーソーとフライデーのその後、だろうか

  • hiroizm

    小粒なれど作者の個性にじむ三編を収録。「スペインの家」はスペイン片田舎の古民家を購入し「異国から来た新たな住人」として暮らす様々な事柄について綴ったエッセイ風小編。家を女性、住むことを結婚になぞらえたくだりがこの人らしいエスプリ効いててユーモラス。二編目の「ニューフェルトローレン」は友人夫婦をガイドしつつ南アの故郷の近くの農園を再訪する話。30Pに満たない短編ながら、作者の幼少期の思い出、親世代からの過酷な歴史、故郷の情景の激しい変遷と切ない心情が、さりげなく繊細かつ絶妙に描き込まれている燻銀の逸品。

  • かふ

    クッツェーのノーベル賞受賞後の短編三作(ノーベル文学賞受賞記念講演を含む)。エッセイ的な短編でクッツェーの胸のうちを解禁したようなところがある。アパルトヘイトの反対派を支持していたが、クッツェーは支配者側のボーア人。マンデラの民主化運動で自由を勝ち得たがそれはアメリカ型新自由主義で経済格差と不平等の中の暴力に晒されるので安全性を求めオーストラリアに移住するが、それは格差社会がもたらした経済格差故に例えばそれまで壁に囲まれた自主農業生活を懐かしむ。ノーベル賞の講演はロビンソン・クルーソーの物語の寓話を語る。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items