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その国の奥で

J・m・クッツェー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309209074
ISBN 10 : 4309209076
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

20世紀初頭の南アフリカ。異人種間の結婚や性交が禁じられていた時代。白人と褐色の肌の人々が生きる隔絶された空間で事態は推移する。石と太陽で造られた屋敷の仄暗い廊下では、昼も夜も時計が時を刻む。孤独で不美人な未婚の娘マグダ、農場を支配する厳格な父、使用人ヘンドリックと美しく幼い花嫁、不在の兄。肩の上に一気に手斧が振りあげられ、ライフル銃の薬莢が足元で音を立てる。やがて屋敷の秩序は失われ、暴力と欲望が結びつく…。ノーベル賞作家が、検閲の網をかいくぐり、植民地社会の歴史と制度への批判をこめて織りあげた幻視的長篇。新訳決定版!!!

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、ケープタウン生まれ。ケープタウン大学卒業後、イギリスとアメリカで約10年暮らしたのち、ケープタウン大学で教えながら次々と作品を発表。初小説『ダスクランズ』を皮切りに、南部アフリカや、ヨーロッパと植民地の歴史を遡及する、意表をつく、寓意性に富んだ作品で南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的な文学賞を数多く受賞。83年『マイケル・K』、99年『恥辱』で英国のブッカー賞史上初のダブル受賞。2003年にノーベル文学賞受賞。2002年から南オーストラリアのアデレード郊外に住み、2015年から3年間アルゼンチンを拠点に「北」を介さない「南の文学」を提唱して、トランスローカルな文学共同体の形成を試みる。2018年の『モラルの話』から覇権英語に抗して自作をまずスペイン語で発表するようになる

くぼたのぞみ : 1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。著書に『J・M・クッツェーと真実』(読売文学賞)、訳書など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • fwhd8325

    どこまで理解できているかはわからないのですが、鋭利な刃物のようでありながら、どこか牧歌的な世界観でした。物語は266に分かれていて、読みやすい。目当てはくぼたさんの翻訳なのだけど、翻訳とは思えないくらいストレートに響いてきます。迷宮にはまっていく感覚もありますが、無事にラストまでたどり着くことができました。面白いというよりすごいが正直な感想。

  • かふ

    大江健三郎と同世代の南アフリカのノーベル賞作家の意欲的な二作目は「フォークナーの息子たち」を意識したのか、一人称のアフリカーナの女性の語り手の幻想と現実世界を描く。女性の手記ということで266の断片は日記ノートのようで読みやすいが内面の思考がアパルトヘイトの問題をえぐっていく。そこに男尊女卑という社会構造自体がアパルトヘイトの根っこにあり、彼女は奴隷の主人ではあるが男に従属して生きなければならないという複雑な感情が錯綜する。それは父殺しの神話であり、南アフリカの挽歌であり、ポストコロニアル文学の萌芽だった

  • エオリアン

    クッツェーのデビュー作「ダスクランズ」に続く2作目となる本作はクッツェー訳者でお馴染みのくぼたのぞみ氏による新訳。南アフリカの辺境の田舎で暮らす白人中年女性マグダよる独白調のゴシックノワールは266の断章で構成されており、読者をコラージュ的な技法で話の時系列や現実なのか想像なのかを曖昧にさせていて困惑させる。南アフリカの白人植民者の選民思想やアパルトヘイトへの皮肉が読み取れるが、暴力や生々しい描写は筆者の作風を知っていないと戸惑うと思う。ストーリーはあえて触れないが著者の初期衝動を感じられる実験的な良作。

  • やすのりん

    また思い違いか。石の女では、飛行機に向かってもっと露骨な単語を使っていて爆笑した記憶 クッツェーの変態性が稀釈されてるようで残念だった。 石の女の方を読み直そうと思う。

  • たまがぞう

    南アフリカの農場で暮らす孤独な女性の物語。現実なのか妄想なのか混乱させながらも妙に惹きつけられる文章で一気に読んでしまった。訳者あとがきで当時の検閲を逃れるための工夫もあると知り、なるほどと思った。個人的に262節が印象深い。

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