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ヨーロッパ覇権以前下 もうひとつの世界システム 岩波現代文庫

J・l・アブー・ルゴド

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006004491
ISBN 10 : 4006004494
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

多様な文化・経済システムの共存と協力によって成立した一三世紀世界システムは、ユーラシアにかつてない繁栄をもたらした。このシステムは、なぜ近代世界システムに取って代わられたのか。アブー=ルゴドによる、歴史からのはるかな問いかけは、私たちが生きる現代世界をも照射する。広い視野と豊かな筆致で新たな世界史像を描き出したグローバル・ヒストリーの古典的名著。

目次 : 第2部 中東心臓部(承前)(マムルーク朝政権下のカイロの独占)/ 第3部 アジア(インド洋システム―その三つの部分/ インド亜大陸―すべての地に通じる道/ 海峡と瀬戸/ 絹の中国)/ 結論(一三世紀世界システムの再構成)

【著者紹介】
J.L.アブー=ルゴド : 1928‐2013年。都市社会学・都市史。ノースウェスタン大学および新社会研究学院名誉教授

佐藤次高 : 1942年‐2011年。アラブ・イスラム史。東京大学名誉教授

斯波義信 : 1930年生。中国史。東洋文庫理事、大阪大学・東京大学東洋文化研究所名誉教授

高山博 : 1956年生。西洋中世史、地中海史。東洋文庫研究員

三浦徹 : 1953年生。アラブ・イスラム史。東洋文庫研究員、お茶の水女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • MUNEKAZ

    解説にもあるように、遠距離交易網が繋がっただけで「世界システム」といえるのかという疑問も。ただ同時に疾病・戦争・気候変動といった様々な要因により、システムが「再構成」されるという図式は、時代の転換点に生きる現代人にとっても説得力があるところ。古代ローマ帝国と漢のシルクロード交易、本書のメインとなる中国を重心としたユーラシア交易網、近代ヨーロッパの覇権、そしてパクス・アメリカーナ。常にシステムが再構成され、新しいグローバルな連環が生まれていく。実証的には古びても、その大局的な見方は価値を失っていない一冊。

  • いとう・しんご

    歴史を見るときに、私たちの目には一番大きなベクトルしか見えてこないけれど、そのベクトルは内在する複数のベクトルの合成に違いないし、その内在するベクトルもまた複数のベクトルの合成に過ぎない、といういくつもの階層という認識に立ったときに、どの階層でサブシステムを切り出すか、それによって見えなくなるモノの存在を踏まえつつ、サブシステム間の「結びつき」に注目すべきと言う最終11章P188の指摘に深く考え込んでしまいました。

  • スプリント

    説明されている世界システムは全面的に納得できるわけではないが一つの考え方としては興味深かった。

  • aruku_gojira

    上巻、下巻を通して、ヨーロッパ、中東、アジアの三箇所が中心となって展開した「ヨーロッパ覇権以前」の世界システムについて、解明を試みた本書。やはり、取り上げたテーマが大きく、また600〜1000年前の交易システムの分析であるため資料が少なく、故に大まかな説明にならざるを得ない印象だが、興味深かった。読み終わって、世界の交易路を押さえていた勢力がアジアからヨーロッパに移る要因は、ヨーロッパの優位性で説明できるわけではなく、疫病の流行、疫病に伴う国内の社会構造の変化、諸国間の対外政策の捉え方の違いなど、複雑。

  • Rieko Ito

    商業・経済によって世界をひと続きのものとして見ていく視点は興味深い。しかし私がいくらか知識のある中国については誤りが多く(翻訳でも注記されている)、見方も一面的なところがある。著者は中国が苦手分野なのだろうが、これでは私がよく知らない他の地方に関する記述も怪しくなってしまうのが欠点だ。

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