Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• ヘラジカ

  読了日：2021/08/01

  「我々の背負う暴力とは、自ら体験した暴力だけではなく、その前から受け継がれた別の暴力でもある。 (…) すべての暴力は一つに繋がっているのだ。」ケネディ、ウリベ、ガイタン、三人の暗殺事件にまつわる物語は情報量も多く、忍耐を強いられる部分も多々あったが、真相が明るみに出る最終章には心動かされた。あまり複雑な筋書きではないものの、過去と現在を行き来する入れ子構造は迷宮のような感もあり。しかし、作者の分身である語り手と、”陰謀”に取り憑かれた男との因縁がどこに終着するのか気になって巻を措く能わずであった。傑作。

• かもめ通信

  読了日：2021/11/01

  こんなに細かい文字でぎっしり詰め込まれたのでは、老眼鏡でもなかなか厳しい。これは読み切れないかも……などと途方に暮れかけたのがウソのよう…相変わらずバスケスは面白い。

• saeta

  読了日：2025/07/27

  「物が落ちる音」に続けてバスケスを。語り手がバスケス本人であるので、当初ノンフィクション作品を読み始めてしまったのかと戸惑った。ウリベ、ガイダン、ケネディの暗殺事件を主要テーマに据え、偏執狂的な陰謀論者カルバージョに作品制作を執拗に嘆願されるバスケスとのやりとりも読み応えがあった。文字が小さく些か読みにくさを感じたが、全体的に楽しく読ませてもらった。

• 毒モナカジャンボ

  読了日：2022/04/12

  『コスタグアナ秘史』や『物が落ちる音』を読んできてようやく気づいたが、バスケスはずっと、声を抑圧された者、奪われた者に（単にポストコロニアル的な視線というだけでなく）寄り添ってきたのだ。歴史的な事件の場所で現在と回想を平然と交錯させたり、失墜したアンソラの回想を現在形にする、ゼーバルトの手法を転用するなど技巧に溢れているが、そもそも語りの力がありすぎるのであまり鼻に付かない。ゼーバルト+プルーストといった趣で人生と国家の歴史・記憶という柱を立てる。あとSNSへのヘイトが高くて良い。

• isbm

  読了日：2021/12/12

  ★★★☆

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