御大キング様のキング節が炸裂する「いかにもキング」な映画です。 ホラー味は薄く、実質はパニックサスペンス映画です。 ハリウッドパニック物に慣れてしまったせいか、あまりドキドキハラハラしませんが、十分に楽しめます。

前作からの27年の時を経てのリメイクということで期待は高かったのですがストーリーの作り込みとしては今一歩なきがします。少年たちの心の中にある恐怖が作り出しているもの＝ペニー・ワイズということがいまいち描ききれていないのではないでしょうか。 最後も割とあっけなかった印象があります。

これはホラー映画と思って観てはいけない。そうすれば、特にジャパニーズホラーに慣れた日本人は満足しないだろう。 これは子どものトラウマ・痛み、そしてノスタルジーといっものが主題の作品といっていいだろう。スティーブン・キング原作であり、ホラー要素が強めのスタンド・バイ・ミーだ。

ビル・スカルスガルドのペニーワイズが最高でした。下唇をベロっと広げてよだれをたらすとか、目の焦点をわざと左右にするとかビルにしかできない技もあり本当に怖く最高の作品でした！

日本のホラー映画とは違い全体を通して暗さで恐怖心を煽るような感じではなく、テーマパークのお化け屋敷にような怖さが全編をつらぬいています。　とても不思議な印象が残る作品です。