Doin`It My Way+the Vision

マイアミ出身のシンガー Howard Johnson が Sandy Torano とのデュオ、Niteflyte での活動後､82年のソロ・デビュー・アルバム 『Keepin' Love New』 を経て、84年と85年に発表したセカンド/サード・アルバムのカップリング。1作目で当時まさに絶頂期に上り詰めようとしていた Kashif をプロデューサーに起用した彼が次に選んだのが、これまた当時ブレイク直前だった The System (Mic Murphy & David Frank)、そして同年に Alexander O'neal と Cherrelle を手掛ける Jam & Lewis。この鋭い嗅覚には脱帽するしかない。まず 『Doin' It My Way』は前作でのメロウなアーバン・サウンドに続いて、クールでメタリックな感触のシンセ・ファンク・サウンドとも見事な相性を見せた名盤。オープニング 「My Way」 からいきなりのシステム印。高らかに鳴り響くイントロのホーン、コーラスを含め徹頭徹尾エフェクティヴなサウンド、そして鋭角的なリズムを持つダイナミックなデジタル・ファンク。ハワードの歌声も張り合うかのようにタフで熱い。メロディアスで落ち着いた曲調の 「Jump Into Fire」 や 「Missing You」 ではよりリラックスしてこれぞ本領と言えるような表情豊かなヴォーカルを堪能出来る。また唯一のスロウとなる 「You're The One I've Needed」 では、ファルセットも交えながらとことん粘着系で歌い倒すハワード。プッシュホン〜留守電ヴォイス (女性) の SEも雰囲気バッチリ。『The Vision』 でも先鋭サウンドへ軽々と応えて見せるセンスの良さは変わらず。Jam & Lewis の実際のプロデュース曲は、「Knees」、「Outta My Head」、「Older Girl」 の3曲だがどれもさすがのクオリティ。重厚なビートと奥行きを感じさせるトラックで突っ走り過ぎず程よくエモーショナルなヴォーカルが聴き込ませる。この他も Jermaine Jackson プロデュースのやや甘すぎるバラード 「All We Have Is Love」 を例外として、「Stand Up」、「So Tuff」、「You've Got A Lot To Learn」、「Show Me How」 とアグレッシヴなファンク・ナンバーが並ぶ。1作目に勝るとも劣らない傑作 『Doin' It My Way』 と続く 『The Vision』 のカップリングは待ち望んでいたベストな形でのリイシュー。もちろん今回もデジタル・リマスター & 限定プレス !!