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ピアニストという蛮族がいる

Hiroko Nakamura (1944-2016)

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122052420
ISBN 10 : 4122052424
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2009
Japan

Content Description

音楽に魅入られたピアニストたちの、すべてが極端で、どこかおかしく、しかもやたらと大真面目な世界。ホロヴィッツ、ラフマニノフら巨匠たちの奇行、伝説、そして本邦ピアニストの草分け、幸田延と久野久の悲劇が、不思議な感動を呼ぶ。文藝春秋読者賞受賞作。

目次 : ホロヴィッツが死んだ/ 六フィート半のしかめっ面/ 神よ、我を許したまえ/ 女流探検家として始まる/ タイム・トラベラーの運命/ 音楽が人にとり憑く/ 久野久を囲んだ「日本事情」/ 最初の純国産ピアニスト/ ピアニッシモの残酷/ 鍵盤のパトリオット/ カンガルーと育った天才少女/ 銀幕スターになったピアニスト/ キャンセル魔にも理由がある/ 蛮族たちの夢

【著者紹介】
中村紘子(1944-2016) : 三歳でピアノを始め、慶應義塾中等部三年在学中、日本音楽コンクールにおいて史上最年少で第一位特賞を獲得。翌年NHK交響楽団初の世界一周公演にソリストとして抜擢され、天才少女としてデビュー。以後、日本を代表する名ピアニストとして活躍する。『チャイコフスキー・コンクール』で第二十回大宅壮一ノンフィクション賞、『ピアニストという蛮族がいる』で文藝春秋読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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この人の著作には味があり面白いです。夢中...

投稿日:2018/01/12 (金)

この人の著作には味があり面白いです。夢中になって読みました。最近中村さんの著作を連続して読んでいますが、魅了されます。ご主人の影響も大きいのでしょうか。もっと長生きしてほしかったです。

テリーヌ さん | Hyogo | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • まーくん

    最近亡くなられたピアニストの中村紘子さん…とつい書いて しまうが、もう6年になる。若々しい姿しか記憶にない。以前、チャイコフスキー・コンクールの審査員を務めたことを題材にした著作を読み、その文章のうまさに感嘆したが、本書もそのキレの良い文章に御主人庄司薫氏の代筆という冗談がでるのも納得である。過去の有名ピアニストの評伝という趣だが、要所にユーモアや毒舌が散りばめられ、面白い。本人が有名ピアニストと直接面識があり、いろいろなエピソードも直接知る人からの伝聞で信憑性は高い。まあ、多少盛ってる感はありますが。

  • azukinako

    ホロヴィッツやラフマニノフの蛮族っぷりも面白いが、日本にどうやって西洋音楽がやってきたのか、日本人初のピアニストは誰なのかなど、気づけば歴史的な大きな流れも頭に入ってくる。中村紘子さんの文章のリズムは歯切れよく、曖昧な表現がなく、人物への興味から、生い立ち、過渡期、その後の人生までワクワクと読ませてしまう。ピアニストという「蛮族」について時に自虐的に時に愛情たっぷりで気づくとピアニストの世界にどっぷりひきずりこまれている。それにしても、日本人初ピアニストの久野久の人生が壮絶すぎて心に残る。

  • 星野流人

    中村紘子さんによる、古今の有名無名問わずのピアニストにまつわるエッセイ集。音楽、特にクラシックともなると寡聞にして存じ上げないお名前が多く申し訳ないところですが、それでも彼ら彼女らの苛烈極まるエピソードの数々は、おもしろかったです。日本の西洋音楽黎明期を生きた女性ピアニストたちの非業の道行きが、特に興味深かったです。やっかみからくる周囲からのバッシングに苦しんだ幸田延さんのエピソードを読み、今も昔も変わらないなと辟易したりもしました。晩年は穏やかそうでよかったですが。あとは、アイリーン・ジョイスも印象的

  • Roko

    この本に登場するホロヴィッツやラフマニノフ、グレン・グールドら巨匠の伝説と言ってもいいほどの奇行には驚きすぎて笑ってしまうほどです。でも、この本で更に驚いたのは日本のピアニストの草分けである幸田延と久野久の話です。西洋音楽が日本に入ってきたばかりの頃にピアノと出会ってしまった2人の女性の人生は余りにも壮絶です。でも、彼女たちの存在を知る人はごくわずかだというのは、やはり女性アーティストの存在が軽く扱われていたからなのでしょうか。

  • 胆石の騒めき

    (★★★★☆)ピアニストとしての知名度も高く、子供のころに聴きに行った記憶がある。文才にも恵まれていたのだと、改めて確認。リストの演奏を伊藤博文と西園寺公望が聞いた話など、惹きつけられるエピソードにあふれている。しかし、最も心を打たれるのは「久野久」の生涯。クラシック界の西欧コンプレックスの始まりに思えるが、現在の日本の演奏家の意識は大分変わっていると思われる。むしろ、聴衆サイドに根強く残っているのではないだろうか?最後のくだりは、「ピアノを聴きに来る蛮族がいる」とも読み取れる気がする…。

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