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  • 独特な音の世界をそぞろ歩きできるディスクと感じた。...

    Posted Date:2026/01/29

    独特な音の世界をそぞろ歩きできるディスクと感じた。 ショパンの曲を軸に、その「軌道」を角野隼斗の自作などが行き来する。 演奏が元からそうなのか、ミキシングによるものか分からないが、どちらかというと小さめの声で歌うような音作りだろうか。 また音の重心が上の方に置かれているように思える。拍というのかリズムの取り方?も独特。 軽い、というのとは違う。何か時間が浮遊するような不思議な感覚は他であまり聴かない作風。聴いていてふと思い出したのは有元利夫の絵。時間が止まり、人物や空気が浮遊するような有元利夫の画風と当盤の音楽や音がどことなく合うかな・・・と感じた。有元利夫の絵といえば昔、DENONの古楽シリーズのジャケットを飾っていた記憶がある。それと性格は違うが、絵が持つ雰囲気はこのディスクにも通じるように思う。 ショパンの各曲は、いかにもショパンらしく弾くというより角野隼斗の中で醸成されたショパンの物語を音楽にしたといえばいいのかもしれない。そしてそのショパンの対(軌道)として奏される曲たちがまた魅力的。角野の自作は押し付けることなく豊かな表情をもって静かに広がっていく。エオリアン・ハープ(エチュード)に対する「リディアン・ハープ」はその浮遊するような軽みを引き継ぐ形で、ショパンの曲に対するリスペクトを含んだ「変奏」の一種としても聴ける。「ラルゲット(ピアノ協奏曲第2番の第2楽章による)」は少しジャズ的な装いも混ぜ込んでみせる。おそらく、角野の頭の中(そして心の中)はこのディスク内の自作のように多くの音が、そして音楽が鳴っているのかもしれない。   ショパンを聴くというより、また角野の作品を聴くというより、ショパンと角野の「呼吸」を愉しむディスクだと思う。おすすめです。

    うーつん .

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