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新装版 パン屋再襲撃 文春文庫

Haruki Murakami

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167502119
ISBN 10 : 4167502119
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2011
Japan

Content Description

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古カローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した…。表題作ほか「象の消滅」、“ねじまき鳥”の原型となった作品など、初期の傑作6篇。

【著者紹介】
村上春樹 : 1949年、京都生まれ、早稲田大学文学部演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞、82年『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、96年『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、99年『約束された場所で underground2』で桑原武夫学芸賞を受ける。2006年、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、07年、朝日賞、坪内逍遥大賞、09年、エルサレム賞、『1Q84』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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村上春樹自身、自分の主戦場は長編であると...

投稿日:2021/04/09 (金)

村上春樹自身、自分の主戦場は長編であると宣言してはいるが、この短編集は彼の代表作の一つに挙げたいくらい面白い。世界観そのものは長編と同じだが、皮肉やユーモアの部分がさえまくっているのだ。 特に私が気に入り、繰り返し読んでいるのは「ファミリー・アフェア」。主人公の青年と妹、妹の彼氏「渡辺昇」の微妙な関係をコミカルにかつ味わい深く綴る。著者自身を戯画的に描いたと思われる主人公の「偏狭な性格」が、とにかく面白い。「渡辺昇」は他の収録作品にも現れる。「ねじまき鳥クロニクル」の「綿谷ノボル」とも関係あるようだ。

座頭 さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009

    村上春樹さんのナンセンスな笑いに満ちた6編の奇譚作品集。今回は佐々木マキさんのカバー・イラストにエイリアンが描かれ何となく不気味でBGMにはXファイルのテーマ曲が似合いそうな雰囲気なのですが、でも結局は全然怖くはありませんのでご安心下さい。また作品の総括をする必要など全くなく読後に漂うそこはかとない可笑しさを味わうだけで十分でしょう。また1985年初冬に限定復活した双子姉妹は「羊男のクリスマス」にも童話キャラで出ていてファンには嬉しいですよね。まあ深く考えて悩まずにお気楽にけったいな物語に身をゆだねよう!

  • ehirano1

    表題作について。いや〜難しかったなぁコレ。4つの空腹を「小さなボートに乗って養生に浮かんでいる」「水中には海底火山の頂上が見える」「海面と海底火山の頂上の距離は近いようだが正確な距離が分からない」「なぜなら海水が透明過ぎて距離感が掴めない」で表し、主人公の感情の変化としてメタる。これはもう大学の何かの講義レベルかな?

  • おしゃべりメガネ

    村上春樹さんの短編集は、ほとんど読了済ですが正直、印象に残りにくい(忘れやすい?)作品も決して少なくはない気がします。そんな中でも本作は読んだ時のインパクトが強かった記憶があり、再読していても文章がクリアに思い出されてきました。やはり表題作『パン屋〜』はその展開がとにかく印象的です。『象の消滅』は春樹さんらしい‘不思議’感満載で、『ファミリー〜』はそのひねくれた会話のテンポがとてもコミカルです。のちの大作『ねじまき鳥』シリーズの原作となる短編は、この時すでにタダモノではない雰囲気を十分に醸し出しています。

  • ハイク

    6編の短編集。「ファミリー・アフェア」が印象に残った。僕と妹の会話のやり取りが面白い。僕の態度はクールで皮肉ぽく妹に対するが、それに負けず劣らず妹は妹で受け流したり、やり返している。妹の婚約者は素直で真面目であり一層兄妹を引き立たせている。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は長編小説「ねじまき鳥クロニクル」のベースになった作品だそうだ。他の編は著者の書いた狙いが良く分からなく、再読が必要だ。「渡辺昇」は全編に登場している。春樹本のイラスト担当の安西水丸氏の本名であるそうだ。このように各編とも工夫している。

  • 江藤 はるは

    学生時代以来の再読。 自分の心が再襲撃された。 あるいは、頭の中にあった雲が消滅したのかもしれない。

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