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一人称単数 文春文庫

Haruki Murakami

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167919948
ISBN 10 : 416791994X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan

Content Description

ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感―そこで何が起こり何が起こらなかったのか。驚きと謎を秘めた8篇。

【著者紹介】
村上春樹 : 1949年、京都生まれ、早稲田大学文学部演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞、82年『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、96年『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、99年『約束された場所で under ground 2』で桑原武夫学芸賞を受ける。2006年、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、07年、朝日賞、坪内逍遙大賞、09年、エルサレム賞、『1Q84』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • toshi

    2020年の短編集。久々に読む春樹作品になります。春樹氏の長篇と言えば、ファンタジーを織り混ぜたものが主体となっておりますが、短編の方は割とリアリティーに基づいたストーリー展開を見せております(「品川猿の告白」以外は)。それでもここまで読ませてくれるのはさすが春樹氏という感じで、春樹ワールドを満喫しました。私が気に入ったのは「クリーム」と「ウィズ・ザ・ビートルズ」です。

  • yoshida

    村上春樹さんの作品は一頃随分読んだ。20代からから30代にかけて。静かな文体に表れる不穏さ。そこが好みだと思う。久しぶりに読む村上春樹さんの短編集。「石のまくらに」、「ウィズ・ザ・ビートルズ」、「品川猿」が好み。刹那的な関係、かつての恋人の死、不思議との邂逅。「石の」での短歌は数編私にも刺さる。村上春樹さんの作品で短歌は珍しくもある。「ウィズ」での昔の恋人とその兄。かつて読んだ「ねじまき鳥クロニクル」を少し想起したが、平穏な兄妹で安心もする。「品川猿」は村上春樹さんらしい不思議さ。長編も再読したくなる。

  • クプクプ

    正に私が今、読みたい内容でした。「東京奇譚集」の「品川猿」の続編が載っていることが目的で手に取りました。「品川猿の告白」というタイトルで、ユーモアは前作ほどではないものの、今作は、旅行の雰囲気が、たっぷりで違う角度で楽しめました。表題作「一人称単数」を短編集の最後に配置したのも効果的でした。一番、面白かったのは「謝肉祭」という短編です。シューマンのピアノの謝肉祭がテーマでした。村上春樹はジャズだけでなく、クラシックにも詳しいことがわかったのが、収穫でした。今後も村上春樹を読んで文化を吸収します。

  • ケイ

    一度雑誌で読んだのだが、その時は果たして全部読んでいたかな。その時も感じたのだが、俳句がとてもいい。品川猿の不穏さや不気味さも好き。醜いという事をどういう文脈で書こうが、その言葉を使う人を醜くするなと思う。

  • K

    短編集。村上春樹を読んだのは学生の頃の『海辺のカフカ』や『ノルウェイの森』以来か。独特な世界観の余韻とともに、久々に浴びる独白めいた語り口に懐かしさを感じた。一部例外を除きそれぞれ振り返ってみると、総じて過去の体験を追想し疑問が残りつつも作品内では折り合いをつけられ、読み手側としては一呼吸置いて心がざわついてしまうような結びが印象に残る。

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