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映画評論家への逆襲 小学館新書

Haruhiko Arai

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784098253999
ISBN 10 : 4098253992
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

SNSを通じて誰でも映画評論家になれる時代だ。だが、脚本家・映画監督は異議をとなえる。ならば、脚本家、映画監督はどんな視点で映画を観るのか。これは、映画を作る側から、映画評論家、そしてSNSで映画感想文を垂れ流すモノ言う「観客」への逆襲である。

目次 : 第1章 『仁義なき戦い』は国家と戦争を告発する/ 第2章 ポンジュノ監督、あるいは表現と時代の奇しき関係について/ 第3章 若松孝二監督の伝説と生身/ 第4章 憲法映画論、そして加害と被害をめぐるドキュメンタリーの核心へ/ 第5章 デニス・ホッパーとアメリカン・ニューシネマ、または自由の行方について/ 第6章 高倉健VSイーストウッド、顔に刻まれた男の来歴/ 第7章 評論家への逆襲、さらに映画の闘争は続く

【著者紹介】
荒井晴彦 : 1947年、東京都出身。季刊誌『映画芸術』編集・発行人。若松プロの助監督を経て、77年『新宿乱れ街 いくまで待って』で脚本家デビュー。『赫い髪の女』(79年、神代辰巳監督)、など日活ロマンポルノの名作の脚本を執筆。以降、日本を代表する脚本家として活躍。『Wの悲劇』(84年、澤井信一郎監督)、『リボルバー』(88年、藤田敏八監督)、『ヴァイブレータ』(03年、廣木隆一監督)、『大鹿村騒動記』(11年、阪本順治監督)、『共喰い』(13年、青山真治監督)の5作品でキネマ旬報脚本賞受賞。また脚本・監督作品として『火口のふたり』(19年、キネマ旬報ベストテン・日本映画第1位)がある

森達也 : 1956年、広島県出身。立教大学在学中に映画サークルに所属し、テレビ番組制作会社を経てフリーに。地下鉄サリン事件後のオウム信者たちを描いた『A』(98年)は、ベルリン国際映画祭など多数の海外映画祭に招待され世界的に大きな話題となった。続く『A2』(01年)で山形国際ドキュメンタリー映画祭特別賞・市民賞を受賞。『i‐新聞記者ドキュメント‐』(19年、キネマ旬報ベストテン・文化映画第1位)

白石和彌 : 1974年、北海道出身。中村幻児監督主宰の映像塾に参加。以降、若松孝二監督に師事し、若松作品で助監督を務める。2010年『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編デビュー。13年、ノンフィクションベストセラーを原作とした映画『凶悪』が、第38回報知映画賞監督賞、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞・脚本賞などを受賞

井上淳一 : 1965年、愛知県出身。大学入学と同時に若松孝二監督に師事し、若松プロ作品に助監督として参加。90年、『パンツの穴 ムケそでムケないイチゴたち』で監督デビュー。その後、荒井晴彦氏に師事。『戦争と一人の女』(13年)で監督再デビュー。慶州国際映画祭、トリノ国際映画祭ほか、数々の海外映画祭に招待される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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この本に収められているのは、著者として名...

投稿日:2021/06/17 (木)

この本に収められているのは、著者として名を連ねている四人が昨年オンラインで行った対談六回分と、昨年度のベストテン作品について語った特別対談から成る。 上映作品に関係した話--その時の上映作品を載せてほしかった--なので、たとえば、この四人でアメリカン・ニューシネマとか高倉健について話しているのが面白い。 荒井、井上、白石とくれば、若松孝二が共通点としてあって、話されることも何となく予想がつくが、そこに森が入ることによって味わいが深くなる。また、井上が自然に話題提供や、もめた際のとりまとめ役になっているのは、彼の資質によるものだろう。 本の最後に地味に「構成 高崎俊夫」とあって、最後のベストテンに関する対談には、若干ではあるが彼の発言もあって、この本がまとまりよくかつ迅速に出版できたのは彼のおかげであることが伺えた。 ぜひ第二弾も出してほしい。

アーチ さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • keroppi

    若松孝二に師事した荒井晴彦や白石和彌らが、映画について語り合う。若松孝二や「仁義なき戦い」やアメリカンニューシネマ等、私も学生時代観まくった映画のことが多く語られていて共感をおぼえた。そして何よりも、今の映画批評や映画賞、映画界全体への批判が手厳しい。「火口のふたり」を撮った荒井晴彦や「狐狼の血」を撮った白石和彌であるがゆえに、単なる遠吠えには聞こえない。私も学生時代は、「分からない」映画や感覚に訴えてくる映画こそ魅力に感じたものだったが。

  • 寺の始まりさバニーガール

    SAPIOなんか出している右寄りの小学館から出た、左寄りの映画人の座談会本。映画や映画界への毀誉褒貶があるので面白く読む。実作者が評論家に怒っているのは最後の章だけだったりする。評論家もそうだが、実作者は実作者で偉そうだったりする。気になるのは荒井晴彦で、邦画の時代考証についてくどくどうるさい(もちろんそこが面白い)のだが、片渕須直『この世界の片隅に』で、主人公すずが南京陥落の提灯行列に参加していないと怒るのは何か違う気がする。敗戦の日に誰よりも好戦的だったのはすずではないか。あの日に朝鮮の旗が…(続く)

  • Isamash

    脚本家や映画監督の荒井晴彦、森達也、白石和彌、井上淳一、小中和哉氏2021年出版の対談。荒井以外は映画未見の作家。荒井はバリバリの学生運動の闘士であったらしく、角材は強度増すため使用前に水に漬けておいたらしい。仁義なき戦い、若松孝ニ、ポンジュノ監督、アメリカンニューシネマ、高倉健、イーストウッド等が話題。「Fukushima 50」を「感動もらいました」「勇気をもらいました」「日本人,すげえ」と評価してしまう日本アカデミー賞や素人評価に嫌悪感を覚えるのには自分も全く同感。まともな映画評論が不在と嘆かれる。

  • ぐうぐう

    タイトルに相応しいのは最後の章のみだ。とは言え、映画製作の舞台裏や楽屋話を通して、映画を作る側からの真摯な問いかけが全章において滲み出ている。荒井晴彦の、予算の都合であれなんであれ、その時代にはないバスを走らせなきゃならないのなら、バスが出てこなくてもいい場面に変更しろという憤りは、映画の作り手側からの発言と考えると、とても重要だ。映画評論家やSNSに対してだけではなく、彼らは自身にも厳しい。だからこそ「ポピュリズム的な流れがこの国ではとても強くなっていて、世相に乗っかるだけの作品が多くなった。(つづく)

  • rz

    この人らもプロフィールに受賞歴とかキネ旬ベストの順位とか喜んで書くんだなw

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