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九龍城探訪 魔窟で暮らす人々

G.ジラード

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784872574234
ISBN 10 : 4872574230
Format
Books
Release Date
February/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

「City of Darkness」の日本語版がついに登場!
“City of Darkness”こと九龍城は、大都市香港の中心に紛れもなく存在した。ここでは法律は適用されず、警察官も立ち入ることができなかったため、文字通りの「無法地帯」であった。その九龍城はどのように生まれたのか?住民たちがこれほど過酷な環境で生活できたのはなぜだったのか? 取り壊しを前にした生活者たちのありのままの姿、さらに九龍城の歴史を収めた本書は、もはや存在しないこの特異なコミュニティを浮き彫りにした、比類なきドキュメンタリーである。

Content Description

“City of Darkness”こと九龍城は、大都市香港の中心に紛れもなく存在した。この高層スラムには、33,000もの人々が住んでいた。九龍城はどのように生まれたのか?これほど多くの人々が、これほど過酷な環境で生活できたのはなぜだったのか?取り壊しを前に、2人のカメラマンが4年間をかけて九龍城の住人たちに取材をし、仕事をする姿や部屋でくつろぐ様子をカメラに収めた。320枚の写真に32人へのインタビュー、さらにその歴史を収めた本書は、もはや存在しないこの特異なコミュニティを浮き彫りにした、比類なきドキュメンタリーである。

【著者紹介】
グレッグ・ジラード : 1955年カナダ、バンクーバー生まれ。1973年より写真を撮り始める。1985年に初の作品集が出版され、1987年にプロの写真家となる。アジア在住歴が長い。今では世界中の雑誌や新聞で活躍している

イアン・ランボット : 建築の教育を受けるが、職業とした期間は短い。模型製作者、写真家、グラフィック・デザイナーを経て、1988年にウォーターマーク・パブリケーションズを創設。建築やデザイン関係の書籍を出版している。1996年に香港を離れ、現在はイギリス在住

尾原美保 : 翻訳家。1971年生まれ。大阪府出身。大阪大学人間科学部卒業。編集者経験を活かし、現在は翻訳家として活躍。特に写真集、ビジュアルブックの翻訳を得意とする

吉田一郎 : 1963年生まれ。埼玉県出身。法政大学社会学部卒、早稲田大学大学院在籍中。香港中文大学に留学中の85年から86年にかけて、九龍城砦の14階で暮らす。元『香港ポスト』記者、『香港通信』編集長、『香港ビジネスポスト』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • キク

    香港返還時に取り壊された、世界随一の巨大高層スラムだった九龍城の写真集。27,000平米の区画に350棟の高層ビルが密集し、33,000人が生活していた。英国も中国も管理できず「亜細亜の混沌」を具現化した場所になっていて、その写真に圧倒される。現代都市計画研究による再開発都市の洗練された風景よりも、無秩序の極地として現れた九龍城の写真の方が美しいのはなぜなんだろう。現代の一流建築家が巨大資本や行政と手を結んでもできなかった「生命を宿して自立する都市」が奇跡的に成立していたからなんだろうな。

  • メタボン

    ☆☆☆☆ 九龍城には悪の巣窟のスラムというイメージを抱いていたが、住人にとっては意外と住みやすく愛着のある場所だったことがわかった。ただやはり衛生的には劣悪な環境だし、きれいな水を手に入れるのは大変だったようだ。丹念な取材により住人の生活が垣間見えたのが良かった。「クーロンズゲート」というゲームがあったが、あれは混沌として迷宮そのものだったな。

  • りー

    非常に良い。非常に良い。写真も多いし九龍城に生きた人たちの声も、それこそ住人や担当の警察、元麻薬中毒者まで多岐にわたって収録されていて読み物としても満足のいく一冊だった。ただ製本が甘いので背割れしやすいのが難点。あまり開かないで読むことをおすすめする。

  • 姉勤

    かつて魔窟と呼ばれた、違法増設アパート群。香港返還前に取り壊しが決まった直前の1990年代の写真と取材。全てがスラム的猥雑な建物や住人ではなく、日本の団地のような一般的住人、医者や理髪、精肉加工や菓子などの、手工業的工場、はては教会が区画され共存していた。歴史もたどることができ、田園風景のなかの城郭、日本軍の占領による城の解体などを経て、労働力受け入れ施設が、やがてキャパに耐えきれずにツギハギのような住居群に変質した。今は公園と化した現地。 アンテナが林立する屋上で遊んでいた子供達はどうしているのかな。

  • 紫陽花と雨

    九龍住民へのインタビューとカラー写真は、独特の暗さと湿り気を浮き彫りにしてまさしく「魔窟」だと感じる。あっけらかんと語る人々にはあまり暗さを感じない。製麺、飴製造、魚肉加工、漢方医、歯医者、ゴム製造、商店主などなど。皆が口々に言うのは「そんなに怖い場所じゃなかったよ」そうかな…?暮らした人ではないけれど、九龍担当の郵便配達人が、あの中を把握して配達してたことには驚いた。およそ33000人が暮らした、今はもう存在しない場所に想いを馳せる。豚肉の加工場がカラーでどーんと出てるので苦手な方はご注意ください。

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