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カラマ-ゾフの兄弟 中巻

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784102010112
ISBN 10 : 4102010114
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

19世紀中期、価値観の変動が激しく、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、アリョーシャの精神的支柱となっていたゾシマ長老が死去する。その直後、遺産相続と、共通の愛人グルーシェニカをめぐる父フョードルと長兄ドミートリイとの醜悪な争いのうちに、謎のフョードル殺害事件が発生し、ドミートリイは、父親殺しの嫌疑で尋問され、容疑者として連行される。

【著者紹介】
フョードル・ドストエフスキー : 1821‐1881。19世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、’48年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等で復帰。’61年の農奴解放前後の過渡的矛盾の只中にあって、鋭い直観で時代状況の本質を捉え、『地下室の手記』を皮切りに『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』等、「現代の予言書」とまでよばれた文学を創造した

原卓也 : 1930年東京生れ。東京外国語大学ロシア語科卒。同大教授、学長を歴任。トルストイ、チェホフ、ドストエフスキー等の翻訳多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ehirano1

    ゾシマ長老のエピソードで物語が進むと思いきや、急激なミステリー展開からまさかの超展開に。上巻とはだいぶ雰囲気が変わり、いよいよ著者が書きたかった本質が姿を現すのか(もう現わしている?)、最終巻が俄然楽しみになって来ました。

  • のっち♬

    長老の生涯と死は『大審問官』に対する反論でもあり、自由や個性を追い求めて隷属と孤独へ向かう人類に心理的改革の必要性を訴えかける。遺体の腐臭は三男に人類の罪深さを知らしめた上で全人愛へ向かわせるためのシグナルともとれる。ここから物語はこれを例示した地上的ドラマが"狂暴なカラマーゾフの力"で一気に加速。愛憎入り乱れたロマンス、金策に奔走するコメディ、スリリングなサスペンス…思想や表現に留まらない著者のあらゆる執筆エッセンスが結実している点も本作の魅力だろう。「わたしたちはみんな薄情です、みんな冷血漢ばかりだ」

  • ナマアタタカイカタタタキキ

    こうも大規模な作品だと、如何様にも読めるのだと感じた。聖人とされていたにもかかわらず、死後腐臭を放つゾシマ長老の過去の話は心に残った。我々は誰しもが、全ての人々に対してあらゆる面で罪深い人間であるのだ。罪とは、外的な行為だけでなく、その行為を引き起こしかねない内的な状態のことをも指す。それを己の中に見出だした時、人は何を思うのか。…その後暫く続くミーチャの場面で彼の印象ががらりと変わる。直情的で何をしでかすかわかりかねる彼の言動の中に、一種の純真さを見た気がした。フョードルを殺したのは彼ではない?下巻へ。

  • 青蓮

    ゾシマ長老が死去することでアリョーシャは己の「神」を失い、信仰すら棄ててしまうのかなと危惧してましたが杞憂でした。「内なる」ゾシマ長老と邂逅することで更に信仰を深めていく場面は感動的。ゾシマ長老の腐臭についてはなかなか理解が及ばなかったものの、彼は慈愛に満ちた立派な僧侶だったと思います。第八編のミーチャから俄然物語が面白くなってきて、とても惹き込まれました。ドミートリイの世間知らずなお坊ちゃま振りが笑いを誘うけれど哀れにも感じました。父親殺しの嫌疑をかけられ、物凄い言い訳をする彼の精神力には圧倒。下巻へ。

  • ハイク

    ドミトリーの話になって夢中で読み進む。前半はゾシマ長老の青年期の独白は興味深かった。積極的な生き方がその後の人生を作ったのかなと思う。長老は人間を超越した生き方である。後半はドミトリーの父親殺しと大金の持参の収支に関する描写と裁判の話だ。丁寧な描写で登場人物の心理描写が読み手に伝わる。彼は婚約者のカチェリーナと別れグルーシェンカの愛を勝ち取るが、警察から父親殺しの犯人とされ予審で追及される。本人は否定するが数々の証拠により有罪の判決が出され監獄に入れられる所で中巻は終了する。この結末は下巻の楽しみだ。

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