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営繕かるかや怪異譚 その参 角川文庫

Fuyumi Ono

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041160244
ISBN 10 : 4041160243
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan

Content Description

怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――。これぞ怪談文芸の最高峰!シリーズ第3弾。建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編収録。

「待ち伏せの岩」
渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。
「火焔」
イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ‥‥。
「歪む家」
温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。
「誰が袖」
典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。
「骸の浜」
河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。
「茨姫」
死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると‥‥。
解説/漆原友紀

【著者紹介】
小野不由美 : 12月24日、大分県中津市生まれ。京都大学推理小説研究会に所属し、小説の作法を学ぶ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。12年、2作が相関関係にある『鬼談百景』と『残穢』を刊行。『残穢』は13年第26回山本周五郎賞を受賞。20年「十二国記」シリーズが第5回吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    小野さんのシリーズ3作目です。またやってしまいました。2年ほど前に単行本で読んでいるのに、文庫本での再読です。興味あるシリーズ(夢枕さんやあさのあつこさんなどの)ですと待ちきれずに時たまやらかします。ただ再読しても、「待ち伏せの岩」や「歪む家」などは楽しめます。前者はドイツの伝説のローレライを思わせる感じで、ガラスに閉じ込められた何者かが怖さを引き立ててくれます。4作目も単行本で出されているようです。

  • neimu

    表紙がね、もう黒髪のギンコだよ。漆原さんの絵のせいか『蟲師』のキャラと重なる。病を目に見えぬ物によって治す、癒すが如く、家の建物の障りをできる範囲で修理し、宥め、景色を替え、人の心を、土台を、隙間風を、歪んだ思いや執着、思い込みを居住まいを正すが如く、手を入れていく。そのさりげなさが物足りなく感じるときもあるが、徹底的に何かをしてしまうよりはほどよく折り合いが付いて良いのだろうと感じさせもする。小説としての迫力は描写は今ひとつで雰囲気とシリーズの流れに負うところが大きいものの、世界観が安定している怪異譚。

  • つばめ

    好きなシリーズ3作目。家や物にまつわる怪異に悩まされたり恐怖を覚えてしまう日常。「営繕かるかや」の尾端が大工仕事を通して、それらの恐怖を解きほぐしていく。何かを退治したり戦ったりで解決するわけではなく、怪異の原因やその後もしっかり描かれている訳ではないけれど、家での過ごし方や物の残し方で気持ちを少し上向きに、うまく共存していく道もあるよと教えてくれる。「火焔」「骸の浜」が印象的。

  • 日々を蝕んでいく重苦しく閉じ込められた思いが、尾端さん達のほんの少しの気づかいで一変する。いつも大きな両開きの窓を開けたように視界が開けたような気分で読み終われる。今回はラストで優しい気持ちになる作品が揃っていたと思う。「骸の浜」が特に好き。

  • あたびー

    文庫化に際し再読。やはりこの巻は特にじっとりした話が多いなあ。そこに尾端くんが出てくるとカラリとさわやか〜になるからいいわね。四巻目が出ているけど、まずは図書館で、そして文庫化したら買うことにしてます。

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