Flamingo

親しみやすくてクール、ロックンロールに対する深い愛情を持ち続ける永遠のティーンエイジャー、フレイミン・グルーヴィーズがストゥージズらの影響でハードなサウンドに移行したKAMA SUTRA在籍時70年発表の人気盤！レコード・デビュー前のコマンダー・コディも参加したゴキゲンかつ懐の深い大傑作！

RICHARD ROBINSONのプロデュースで制作されたのがこの「Flamingo」(Kama Sutra 2021)である。このアルバムからのシングル・カットはない。レコーディングはサンフランシスコのダウンタウン、ブラディ・ストリートにあったパシフィック・ハイ・レコーディング・カンパニーでおこなわれ、1970年3月20日の夜から3週間の期間を費やしている。その間、JOHN ZACHERLEYもスタジオを訪れたという。エンジニアはPHILL SAWERとTHE CHARLATANSのRICHARD OLSENが担当、ヴォーカルは別録音だったものの演奏はほぼライヴ演奏だった。
リミックスはニューヨークのA＆RでRALPH MOSEがエンジニアを担当。ROYのオリジナル曲4曲、ROYとCYRILの共作5曲、LITTLE RICHARDの「KeepA Knockin’」が収録。まだレコード・デビュー前のCOMMANDER CODYが「Second Cousin」、「Comin’ After Me」、「Keep A Knockin’」の3曲でピアノをプレイしている。ご機嫌なロックンロールの「Gonna Rock Tonite」でアルバムはスタートするが、前のめりの演奏で「Supersnazz」でのグッド・タイミーな雰囲気はなく、ハードなライヴ・ロックンロール・サウンドだ。続く「Comin’ After Me」はクールなロカビリー・ナンバーでギターの音がたまらない。「Headin’ For The Texas Border」はアップテンポのパンキッシュなブルース。
「Sweet Rol l Me On Down」はアップテンポのカントリー・ロックでアコースティック・ギターが効果的に使われている。「Keep A Knockin’」はストレートな高速カヴァーでヘヴィなギター・サウンドが聴ける。「Second Cousin」はJERRY LEE LEWISへのオマージュで素晴しいロックンロール。「Chi ld hood’s End」はヴォーカルとスライド・ギターは荒いがTHE FLYING BURRITO BROTHERSに通じるようなカントリー・ワルツ。「Jailbait」はヘヴィなリフのクールでファンキーなナンバー。「She’s Fall ing Apart」は一転してサイケデリック・フィールのメロディックな曲。ヴィオラのような音も聴こえるがエンディングになるとブギのリズムになっている。
ラストのMC5直系のサウンドといえる「Roadhouse」は圧巻で、「こんなに速い曲はやったことがない。どうやってやりゃいいんだ？」というGEORGEが言ったように高速スピードのハード・ドライヴィン/フリークアウトな演奏が収録されている。「Roadhouse」はオリジナル・タイトルを「Get Fucked, Baby」といい、ROYによればTHE STOOGESの「Gimme Some Skin」に転用されたそうだ。全体としてラウドでハードなトーンだが軽やかさと明るさが随所に覗くところがサンフランシスコ育ちのTHE FLAMIN’ GROOVIESの個性と特徴といえるだろう。
（メーカー資料より）