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The Viola in My Life : Antoine Tamestit(Va)Harry Ogg, Francois-Xavier Roth / Gurzenich-Orchester Koln

Feldman, Morton (1926-1987)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
HMM905328
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description


フェルドマン生誕100周年。フェルドマンが愛したヴィオラ奏者に捧げた特別な作品を
タメスティが全霊を込めて演奏。管弦楽の指揮にはロトも!


「この作品は、まるで秘密のように、ほとんど沈黙した瞑想のように、私に寄り添ってきました。ヴィオラが私の人生において何を意味するのかを、この作品を通して深く感じることができました。この楽器が、私を“聴くこと”へ、“忍耐”へ、“内面性”へとつなげてくれるのです。モートン・フェルドマンは、ここで自らを輝かせるために作曲しているのではなく、私たちに微細なもの、言葉にできないものを聴かせるために作曲している・・・このことが私の心を深く打つのです。そして、それを聴衆の皆さんと分かち合いたいのです。」〜アントワン・タメスティ

世界最高峰のヴィオラ奏者、アントンワン・タメスティの最新盤は、2026年に生誕100周年を迎えるフェルドマンの作品。フェルドマンがヴィオラ奏者カレン・フィリップスに恋をしていたことが創作の直接的な動機となった作品で、彼自身「恋をしている! フォルティッシモさえ書ける!」と語ったほど、感情が音楽に反映された作品です。フェルドマンの作品といえば極めて静謐、小音量で、繊細さを追求していたのに対し、『The Viola in My Life』では旋律的な要素が前面に出ているという特別な作品です。また、フェルドマンといえば作品の演奏時間に長時間を要しますが、この作品は4楽曲で40分強。さらにフェルドマンといえば図形楽譜ですが、この作品は通常の記譜法で書かれているのも特徴です。テンポは非常に正確に指示がなされているところはフェルドマンらしいところといえるかもしれません。

「“ カレン・フィリップスのために特別に作曲された」《The Viola in My Life》は、「小編成から大編成まで、さまざまな楽器編
成を用いて」いますが、どれもヴィオラを独奏楽器として用いた4つの「個別の作品からなる連作」です。
《The Viola in My Life I》(1970年)は、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、打楽器、ピアノのために書かれています。「作曲の形式は非常にシンプルです。私の音楽のほとんどとは異なり、テンポはかなり正確に設定されています。ヴィオラが奏でるすべての音に共通する、徐々にそしてわずかに強くなるクレッシェンドの特徴を支える正確な時間的比率が必要だったのです…この要素が、リズム的な出来事の順序を決定しました。」”(「 」はフェルドマンのコメント、ブックレットより抄訳)。

フェルドマンのコメントにもあるとおり、第1曲では、フェルドマン作品で初めてクレッシェンドの指示が使われています。静かな中にもクレッシェンドが導入され、鳥が閉じ込められた空間の中で飛ぼうとするような感覚が表現されています。第2曲ではクラリネットが加わり、ヴィオラはミュートを使いながら徐々に音の塊から浮かび上がります。第3曲はヴィオラとピアノのデュオで、同時アタックが多く、緊密な対話が展開されます。
 第4曲は最も大規模な編成で、ヴェネツィア・ビエンナーレのために書かれました。先行する3曲の様々な要素をオーケストラに翻訳したような作品です。この楽曲では指揮者がおかれ、この録音ではロトが指揮を務めます。
『The Viola in My Life』は、フェルドマンの個人的な感情が多分に表出しているたいへん稀有な作品です。静けさの中に潜む情熱と、フェルドマンが生涯こだわり続けた音の時間的構造へのこだわり、そして美しい旋律を感じ取ることができる、フェルドマンとしては珍しいタイプの作品かもしれませんが、フェルドマンの音楽を骨の髄から感じることのできるアルバムです。タメスティが時に繊細にしかしきわめて精緻に、フェルドマンの音符を奏でていることがよく感じられます。(輸入元情報)

【収録情報】
● フェルドマン:ザ・ヴィオラ・イン・マイ・ライフ


 I. for viola, violin, cello, flute, piano and percussion (10:35)
 II. for viola, violin, cello, flute, clarinet, celesta and prceussion (9:51)
 III. for viola and piano (6:12)
 IV. for viola and orchestra (15:10)

 アントワン・タメスティ(ヴィオラ)
 パウロ・アルバレス(ピアノ、チェレスタ)
 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
 ハリー・オッグ
(指揮:I,II)
 フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮:IV)

 録音:
 2022年5月 ケルン、フィルハーモニー(IV)
 2023年2月 ケルン、ギュルツェニヒ管弦楽団練習場(I,II,III)

【タメスティの言葉(ブックレットより抄訳)】
初めてバッハの『無伴奏チェロ組曲』を聴いたときのことを、今でもはっきり覚えています。9歳でヴァイオリンを習っていた頃でしたが、その音楽を聴いた瞬間、低音の響きや周波数に深く共鳴している自分に気づきました。先生はヴァイオリンからヴィオラへの転向を勧めてくれて、初めてヴィオラを弾いたとき、忘れられない体験がありました。低音のC線の深い振動が体全体に響き渡ったのです。その瞬間がすべてを変えました。
私はヴィオラの音に惹かれてヴィオラを選びました。レパートリーに惹かれて選んだというわけではありません。その顎の下で感じるその響き、語りかけるような音色にすぐに心がつながったのです。それはまさに私の音域であり、私の性格、私の色でした。
ヴィオラの哀愁、優しさ、高音域の輝きと甘さ、低音域の荒々しさや力強さが大好きです。最初から、この楽器には私の内なる音の世界と表現がすべて詰まっているように感じました。まるで私の「家」のようでした。
ヴィオラとの関係は、バッハ、シューベルト、ヒンデミットのレパートリーを通して深まっていきました。これらの音楽は、ヴィオラがどれほど多様な表現ができるかを教えてくれました。子どもの頃から、私は豊かな音の世界に浸って育ちました。作曲家である父は、音楽は単に馴染みのあるものではなく、新しい感情や音の質感の風景を発見し、踏み込むことだと考えていました。その好奇心は今でも私の中に生き続けています。
私の偉大な師の一人であるジェシー・レヴァインは、その好奇心と探求心を育てる方法を理解していました。彼はモートン・フェルドマンと密接に仕事をしていて、私の学びの初期に「フェルドマンの音の世界に飛び込むべきだ」と強く勧めてくれました。「これは君のヴィオラ人生にとって重要になる」と彼は言いました。そして彼は正しかった!フェルドマンの音楽言語に私は圧倒されました。一つの音に人生全体を込めるような彼の表現力に驚いたのです。
ジェシーの導き、そしてフェルドマン、リゲティ、シュニトケ、グバイドゥーリナ、ベリオといった作曲家たちの音楽は、私の「聴き方」、そして「演奏の仕方」を形作ってくれました。ジェシー・レヴァインはいつも「音を声のように考えなさい」と言ってくれて、一つの音に人生を込めることを教えてくれました。
ヴィオラは私の声になりました。演奏することは、これらすべての影響、記憶、発見が一つに集まり、音楽が私自身を最も感じられる場所になることなのです。ヴィオラは私の人生にあるだけでなく、ヴィオラこそが私の人生なのです。(輸入元情報)


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