E.ハーバート・ノーマン

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クリオの顔 歴史随想集 岩波文庫

E.ハーバート・ノーマン

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003343715
ISBN 10 : 4003343719
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1986
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

もっとも内気といわれる歴史の女神クリオにささげた随想集。現代社会における自由な言論の問題を論じた「説得か暴力か」など7篇を含む本書から、世界史家にして日本研究者ノーマン(1909‐1957)の、すぐれた教養人像が浮かびあがってくる。巻末に、マッカーシズムの犠牲となった著者への追悼文「ノーマンを悼む」(丸山真男)を収録。

目次 : クリオの苑に立って―序文にかえて/ 説得か暴力か―現代社会における自由な言論の問題/ クリオの顔/ 歴史の効用と楽しみ/ イギリス封建制に関する若干の問題/ ジョン・オーブリ―近代伝記文学の先駆者/ 「ええじゃないか」考―封建日本とヨーロッパの舞踏病

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ピンガペンギン

    日本生まれで日本を愛し、カナダの外交官で歴史家でもあったE・H・ノーマンの歴史随想集。優れた芸術家・詩人の数に比べて歴史家として優れた人は少ないと序文でいう。題名のクリオ(クレイオーとも)はギリシャ神話の女神の一人で歴史を司る。クリオは一番内気で、要求も多いに違いない。著者は歴史を学ぶ上では「適切な問題を問いかけることが必要」と説く。(P7)「自由は意識的にかちとらなければならないもの。熱心に守らなければならないもの」

  • 猫丸

    確かな知性に支えられた珠玉の言葉たち。とくに歴史に興味を抱いた青少年に強推薦。p.36「有害な意見が伝わる恐れが絶えないからといって自由を制限することは、かえってそれよりも危険な政策をおびきよせる」だから百田も杉田も高須も好きなだけ囀るべし。堀江も橋下もひろゆきも勝手にご意見を表明してくれ。しかしだな、p.81「ゆがめて伝えられた歴史は結局において国運衰退の原因となりうる」のだよ。歴史修正やら公文書破棄やらに熱心な輩を国賊と呼ぶのはそういうわけだ。ノーマンは正しい。ゆえに愚かな者たちが彼を殺した。

  • 北六

    著者の歴史学に臨む姿勢を綴った「クリオの苑に立って-序文にかえて」が珠玉.内容もさることながら,頭にすっきりと納まってくる日本語の美しさに感動.(英語の原文が美しいと解説にあった.) 学校で歴史を勉強していた頃にこれを読んでいれば,試験のための詰め込み科目とは違った夢のある楽しい学問に感じたことだろう.

  • Mentyu

    「クリオの苑に立って」pp.9-10より 「歴史を小さな問題にわけるために、ときには書物の脚注一つさえも博士論文の題目になりうるというような事情のもとでは、歴史のなかに本来そなわっている人間性の多くが行方不明になってしまうのを避けられない。(中略)しかし、題目がそれほど専門的なものであっても、円熟した歴史の名匠はその主題を歴史の主流に関連させて述べることができるであろう。」 自分が日ごろ思い悩んでいることが綺麗に述べられていて、非常にすっきりしたのだった。

  • ダージリン

    最近読んだ加藤陽子さんの本の中で紹介されており興味を持った。地味ではあるが含蓄ある言葉が多く、著者の深い教養を感じさせる。「ええじゃないか」考は特に面白かった。この集団的狂乱についてはさほど知識もないが、これは掘り下げると、相当根深いところまでたどりつきそうな気がする。

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