2009年には映画も公開されたダン・ブラウンの代表作の一つ。先に映画を観てしまうと登場人物の顔がトム・ハンクスやユアン・マクレガーに重なって見えるだろうが、何の先入観も持たずに読むとイメージが異なるはず。反物質に関しては映画の中で視覚化されているが、読者個人によって解釈や想像力の産物に大きく差異が生じるものではないだろうか。

世界的ベストセラーとなっただけに、切り口は面白く、長さを感じさせずに読み薦めていくことができる作品です。 映画では余りに凝縮した内容となったために消化不良という感が強いですが、原作は謎解きの一つ一つに整合性を持たせているし、個々のエピソードが前後で絡み合って飽きさせません。

文庫サイズ等色々出ていますが、この愛蔵版が一番分かり易いと思います。文章だけでも勿論楽しめますが、美術品や建造物が多数登場するので、写真が掲載されている方が分かり易いと思います。ただ持ち運びには向きません。重いだけです。あとお値段も軽視できません。それでもじっくり読むときには写真がある方が、とても魅力的だと思います。