モンテヴェルディの後期のマドリガーレやオペラに通じる劇的な表現法による宗教曲
16世紀から17世紀のヴェネツィアで活躍したクラウディオ・モンテヴェルディ[1567-1643]。『聖母マリアの夕べの祈り』やサン・マルコ大聖堂のために作曲した音楽は西洋音楽の歴史において屈指の名作とされています。しかし、彼の作品はサン・マルコ大聖堂のような壮大な空間で奏されただけではなく、各地の宮廷などの小さな空間でも競って演奏されました。このアルバムは、そのような身近で私的な空間で演奏された晩課を想定して構成されています。
また、この当時活躍していた作曲家はモンテヴェルディ以外にも数多く存在しており、近年の研究で彼らの素晴らしい作品に次々と光が当てられるようになりました。ここでは、モンテヴェルディが楽長を務めていたサン・マルコ大聖堂のの若き奏者たち、ビアージョ・マリーニ[1613-1648]やジョヴァンニ・リガッティ[1613-1648]の作品と、モンテヴェルディの死後、次期楽長を務めたジョヴァンニ・ロヴェッタ[1595-1668]、モンテヴェルディの助手を務めたアレッサンドロ・グランディ[1590?-1630]、そして大聖堂に関係があったとされるダリオ・カステッロ[1602-1631]の作品を併せて紹介。なかにはモンテヴェルディと同じテキストを用いた詩篇なども含まれており、各々の作曲家がお互いに切磋琢磨しながら生み出した多彩な音楽を味わうことができます。(輸入元情報)
【収録情報】
● マリーニ:主よ、早く私を助けに(Salmi 1653)〜バスと3つの楽器
● ロヴェッタ:主は言われた(Salmi concertati 1626)〜ソプラノ、アルト、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● カステッロ:2人のソプラノとファゴットによる3声のソナタ第9番(Libro primo 1621)〜ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● モンテヴェルディ:われ主に感謝せん SV194(Messa et salmi 1650)〜ソプラノ、テノール、ヴァイオリン、コルネット、オルガン、キタローネ
● グランディ:主よ、わが祈りを聞きたまえ(Ghirlanda sacra 1625)〜アルトとキタローネ
● ロヴェッタ:幸いなるかな(5声)(Duben Sammlung)〜ソプラノ、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● カステッロ:2人のソプラノとファゴットによるソナタ第8番(Libro primo 1621)〜ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● リガッティ:ほめたたえよ、しもべたち(5声)(messa e salmi 1640)〜ソプラノ、アルト、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● カステッロ:2人のソプラノとファゴットによるソナタ第3番(Libro primo 1621)〜ヴァイオリン、コルネット、オルガン、キタローネ
● モンテヴェルディ:主をほめたたえよ SV197a(Messa et salmi 1650)〜バス、ファゴット、オルガン、キタローネ
● モンテヴェルディ:この主の証しびと SV278b(Selva morale 1641)〜テノール、ヴァイオリン、コルネット、オルガン
● ロヴェッタ:マニフィカト(6声)(Salmi concertati 1626)〜ソプラノ、アルト、テノール、バス、ヴァイオリン、コルネット、ファゴット、オルガン、キタローネ
● リガッティ:幸いなるかな天の女王(Salmi diversi 1646)〜ソプラノ、オルガン、キタローネ
● ロヴェッタ:聖母マリアのための連祷(4声)(Motetti concertate 1635)〜ソプラノ、アルト、テノール、バス、オルガン、キタローネ
マリー・ルイーゼ・ヴェルネブルク(ソプラノ)
アレクサンダー・シュナイダー(アルト)
ヨハネス・ガウビッツ(テノール)
ドミニク・ヴェルナー(バス)
ムジカ・フィクタ(古楽器使用)
ローランド・ウィルソン(指揮)
録音時期:2019年9月7-10日
録音場所:Andreaskirche Berlin-Wannsee
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)