地中海と極東を結ぶ「絹の道」の歴史を、
古楽器と伝統楽器で奏でられる伝承曲で実感
ルネサンスを超えて中世に遡る西洋音楽の歴史を辿りながら、時にはユーラシアや中近東など近隣地域の伝統音楽にも深く分け入り、各地の民俗楽器に通暁したプレイヤーとも共演を続ける新時代型のフランスの古楽グループ、カンティクム・ノヴム。2019年のラ・フォル・ジュルネ東京では日本の伝統楽器とのユニークな共演で話題を呼びましたが、今回はフランスの古楽レーベル「AMBRONAY」からその時のプログラム「シルクロード」が待望の音盤化。
中国・漢の西方進出により、遠く古代ローマ帝国まで比較的安定した通商ルートが確立され、古代末期から中世にかけユーラシアの東西はさまざまな異文化交流を実現して繁栄しました。近年は「絹の道」と呼ばれてきた内陸の通商路網だけでなく海路の伝統もその交流史で扱われることが増えていますが、そうした状況を検証しながらカンティクム・ノヴムはさらに想像の翼を広げ、ルネサンス期にはヨーロッパ人とも接触した日本まで視野に入れつつユーラシア東西の伝統音楽・古楽を幅広く選曲。ヨーロッパの中世楽器にカヴァルやネイなど中近東の笛、さらに尺八、津軽三味線、筝という日本の伝統楽器のスペシャリストたちを迎えた編成で、イベリア半島を旅立ったユダヤ人(セファルディ)の歌、ヴェネツィアのフロットラ、バルカン半島の音楽など地中海周辺の音楽から富山・宮崎の民謡まで、驚くほど自然な流れで演奏してゆきます。
アタックの効いた津軽三味線や筝と弓奏ヴィエルの交錯、尺八とカヴァルの音作りの妙で織りなされる西と東の調べ・・・カンティクム・ノヴムだからこそ実現しえたユニークな文化実験の驚くべき成果をじっくりお楽しみください。(輸入元情報)
【収録情報】
1. カステーリャ王アルフォンソ10世「賢王」[1221-1284]:カンティガ第4番『かの方の母は、ダニエルを獅子から救い』
2. 作者不詳(16世紀):ニハーヴェンド・ペシュレヴ(オスマン帝国の伝承曲)
3. 作者不詳:ひえつき節(宮崎県民謡)
4. 作者不詳:アワシュとアヒドゥ『銃を撃ったのは誰か』(モロッコのベルベル人社会の伝統舞曲)
5. 作者不詳(16世紀):聖母マリアの頌歌『世界を統べる女性』(ゴア(インド)に伝わるポルトガルの伝承曲)
6. 作者不詳(10世紀):遊声(雅楽)
7. バルトローメオ・トロンボンチーノ[c.1470-c.1535]:さあさあ起きろ、瞼をあげて(ヴェネツィアのフロットラ)
8. シモーネ・マルティーニ[1284-1344]:洗濯するのも雨頼み(フィレンツェの舞踏歌)
9. 作者不詳:越中おわら節(富山県民謡)
10. 作者不詳:ネダが水辺で溺れた(ブルガリアの伝承曲)
11. トロンボンチーノ:しつこく続けてゆこう(ヴェネツィアのフロットラ)
12. 作者不詳:花は嘆いている(モロッコ内陸部の伝承曲)
13. 作者不詳:小さなレモンの木(イピロス〔ギリシャ〕の伝承曲)
14. 作者不詳:サルタレッロ(中世イタリアの舞曲)〜サバの旋法によるゾノラディコス(ギリシャの舞曲)
15. 作者不詳:どうして泣くのか、色白の娘よ(サラエヴォ(ボスニア)に伝わるセファルディの伝承曲)
16. 作者不詳:棘が刺さるよ、芳わしき薔薇は(イスタンブールに伝わるセファルディの伝承曲)
17. 作者不詳:道端に枝一本(イスタンブールに伝わるセファルディの伝承曲)
18. 作者不詳:こきりこ節(富山県民謡)
19. 作者不詳:眠れ、麗しき娘よ(イスタンブールに伝わるセファルディの伝承曲)
カンティクム・ノヴム(声楽&民俗楽器・古楽器アンサンブル)
エマニュエル・バルドン(歌、指揮)
小濱明人(尺八)
小山 豊(津軽三味線)
山本亜美(十三絃筝)
バルバラ・クーサ(歌)
ヴァレリー・デュラク、エマニュエル・ギグ(弓奏ヴィエル=中世フィドル)
ノルウェン・ル・ゲルン(弓奏ヴィエル、中世リュート)
フィリップ・ロシュ(ウード)
スピロス・ハラリス(カヌン)
ゲナエル・ビアン(各種リコーダー)
レア・マクアール(カヴァル、ネイ)
アンリ=シャルル・カジェ、イスマイル・メズバヒ(打楽器)
録音時期:2022年10月
録音時期:フランス南東部ローヌ=アルプ地方ジャレ、カルトジオ会聖十字架修道院教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)