16世紀ハプスブルク皇室の精彩あふれる音楽環境に迫る劇的アルバム!
ハプスブルク家の権勢をもって世界に君臨し続けたスペイン王カルロス1世=皇帝カール5世[1500-1558]。天才的政治力に加え、文化諸領域に明敏なセンスを発揮したこの君主は幼少期を過ごしたフランドル地方(現ベルギー)の多声音楽を愛し、スペインの優れた作曲家たちにも援助を惜しみませんでした。そんな破格の為政者が亡くなる数か月前、臣下たちを総動員して自ら棺桶に横たわり、自身の葬儀をリハーサルさせたという逸話にインスパイアされたのが、古楽と現代音楽を組み合わせたステージ・パフォーマンスで知られる「ラ・タンペート」の音楽監督シモン=ピエール・ベスティオン。カトリックの追悼ミサ式次第をなぞる形でプログラムを組み、在位中の諸事件を各章に重ねながら、死者追悼を越えた豪傑の回想物語のごとく起伏豊かな音絵巻を織り上げました。
スペイン・ルネサンス屈指の作曲家たちの教会音楽が折々に器楽伴奏を添えられ端正かつ起伏に富んだ演奏で響く中、折々に北アフリカや中近東など異教文化圏の伝統音楽も入り混じるプログラムは実にスリリング。勇壮・痛快なルネサンス金管の響きもさることながら、ヴァイオリン独奏に依田幸司、ガンバにロバン・ファロ、ドゥルツィアン&リコーダーにアナイス・ラマージュとリュシル・テシエ、存在感ある打楽器奏者は名手ミシェル・クロードと器楽勢も精鋭揃い。歴史探訪の面白さと音楽性が最上の形で交錯、古楽ファンならずとも前のめりで聴き進めてしまうこと必至の充実アルバムに仕上がっています。(輸入元情報)
【収録情報】
〜入祭の行進〜
01. 伝承曲(北アフリカ):タクシム(即興による前奏)
02. クレマン・ジャヌカン[c.1485-1558]&マテオ・フレチャ[c.1481-1553]:戦争〜驚異(『エンサラーダ』より)
〜入祭の儀〜
03. ルイス・ナルバエス[c.1500-1555]:千々の悲しみ(皇帝の歌)
〜キリエ(憐みの讃歌)〜
04. クリストバル・デ・モラレス[c.1500頃-1553]:キリエ(『ミサ・ミル・ルグレ〔千々の悲しみのミサ曲)より)
05. 伝承曲(アラブ=アンダルシア):ナワ・アタル
〜昇階唱〜
06. ニコラ・ゴンベール[1495-1560]:ユピテルに仕える諸芸神たちよ
〜詠唱〜
07. パリの楽匠アルベルトゥス[?-c.1177]:いざ共に歓呼せん、神に従う者たちよ(教皇カリクトゥス2世の写本(1140年頃)より)
〜続唱〜
08. フアン・デル・エンシーナ[1468-1529]:むきになってみたところで
09. 作者不詳:(『モンセラートの朱い本』より)
10. トマ・クレキヨン[c.1505-c.1557]:メム(『預言者エレミアの哀歌』より)
〜奉献唱〜
11. 伝承曲(セファルディ・ユダヤ):お母さん、わたしエルサレムに行きたい
12. 伝承曲(モサラベ聖歌):わたしは見た、神の祭壇のもと
〜サンクトゥス(感謝の讃歌)〜
13. ペドロ・デ・エスコバル[c.1465-c.1535]:サンクトゥス〜ベネディクトゥス(死者のためのミサ曲(レクィエム)より)
14. マルブリアヌス・デ・オルト[c.1460-1529]:ギメル(『預言者エレミアの哀歌』より)
〜アニュス・デイ(平和の讃歌)〜
15. エスコバル:アニュス・デイ(死者のためのミサ曲より)
〜聖体拝領〜
16. アントニオ・デ・カベソン[1510-1566]:マニフィカト
〜赦しの秘蹟〜
17. フレチャ:炎(『エンサラーダ』より)
18. モラレス:主よ、わたしを見逃してください
ラ・タンペート(声楽&古楽器アンサンブル)
独唱:
エレーヌ・リショー(ソプラノ)
アクセル・ヴェルネ(アルト)
ファニー・シャトラン(コントラルト)
マルコ・ファン・バーレン、エドゥアール・モンジャネル(テノール)
ルネ・ラモス=プルミエ(バス・バリトン)
イマノル・イラオラ(バス)
シモン=ピエール・ベスティオン(指揮)
録音時期:2025年3月
録音場所:パリ、サンテスプリ・プロテスタント教会
録音方式:ステレオ(デジタル)
収録時間: 83分