ハインツ・シュタンスケ/ヴァイオリニストの再発見
ハインツ・シュタンスケ[1909-1996]は、ヴァイオリン愛好家の間でも比較的無名の人物。ベルリンのシュテルン音楽院でマキシム・ヤコブセンに師事した彼は、1932年にUFAトーンフィルム管弦楽団のコンサートマスターとしてキャリアを開始し、その10年間ミュージカル映画やスペクタクル映画に貢献しました。1937年6月にウィーンで行われた国際コンクールで金メダルを獲得、翌年、ベルリンのベートーヴェンザールで公式デビューを果たし、これが批評家の間で広く認知されるきっかけとなり、指揮者のカール・シューリヒトは彼を同世代の最も傑出したドイツ人ヴァイオリニストと称賛しました。
シュタンスケの初期のキャリアのハイライトには、1940年にカール・ベーム指揮のシュターツカペレ・ドレスデンと共演したプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番のドイツ初演、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(シューリヒト指揮)とのシベリウスのヴァイオリン協奏曲、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ベーム指揮)とのプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番の演奏などがあります。第二次世界大戦中はスペインやイタリアでもコンサート活動を行っていましたが、ユダヤ系のヴァイオリニストと結婚していたため、ナチスの人種政策下では不安定な立場に置かれていました。この結婚によりドイツのラジオ放送から排除され、この制限は第二次世界大戦の終結まで続きました。戦後、シュタンスケはキャリアを再開し、1950年にハンス・ロスバウトによって、バーデン=バーデン南西放送管弦楽団の特別ソリスト担当の第一コンサートマスターに任命され、1971年に引退するまでその職を務めました。
このアルバムは、これまで未発表だった放送録音で構成されており、彼のレパートリーの広さを紹介するとともに、彼の芸術的遺産に対するより深い理解を促すことを目的としています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47
2. グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 Op.82
3. プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63
4. ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
5. モハウプト:ヴァイオリン協奏曲
6. ミヨー:屋根の上の牛 Op.58b
7. サラサーテ:グノーのファウストによる演奏会用幻想曲 Op.13
ハインツ・シュタンスケ(ヴァイオリン)
フランツ・コンヴィチュニー指揮、ベルリン放送交響楽団(1)
クルト・シュレーダー指揮、ヘッセン放送交響楽団(2)
ハンス・ミュラー=クライ指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団(3)
エドゥアール・ヴァン・ルモーテル指揮、南西ドイツ放送交響楽団(4)
リヒャルト・モハウプト指揮、南西ドイツ放送交響楽団(5)
オトマール・ヌッシオ指揮、南ドイツ・ウンターハルトゥング管弦楽団(6)
ヴェルナー・シュミット=ベルケ指揮、ミュンヘン放送管弦楽団(7)
モノラル録音:
1951年1月14日 ベルリン、放送会館(ライヴ録音:1)、
1953年6月17日 フランクフルト、ドルンブッシュ・ゼンデザール(放送用スタジオ録音:2)
1956年11月19日 シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク(放送用スタジオ録音:3)
1963年3月6日 バーデン=バーデン、スタジオ5(放送用スタジオ録音:4)
1957年1月28日 バーデン=バーデン、スタジオ5(放送用スタジオ録音:5)
1957年10月22日 シュトゥットガルト、ヴィラ・ベルク(ライヴ録音:6)
1957年6月13日 ミュンヘン、フンクハウス・スタジオ1(放送用スタジオ録音:7)
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