音楽都市ヴェネツィアの奥深さを感じさせる、作者不詳含む美麗リコーダー・ソナタ!
1983年リオデジャネイロ生まれのダヴェーナによるリコーダーと、1976年サンパウロ生まれのヒベイロの弾くチェンバロによるアルバム。2人は40日をかけてヴェネツィアのいくつかの書庫を探索し、未知のリコーダー・ソナタとチェンバロのための作品併せて6曲を発見、今回初録音を行いました。中にはヴィヴァルディの作とされるものや、同じくピエタ院の音楽指導を行っていたフランチェスコ・ガスパリーニ[1661-1727]が、生徒の一人イザベラのために書いたとみられるトッカータ、同じ筆致で描かれていながら手法の違いからガスパリーニ作と断定できないソナタなど、興味深い作品を多数収録。いずれも当時のヴェネツィアの音楽的繁栄が十二分に感じられる華やかな作品で、これだけの佳作が埋もれているとは、長い歴史を持つ音楽都市の奥深さを感じさせるところです。またヴェネツィアのベネディクト会司祭だったディオジェニオ・ビガーリア[c.1676-c.1745]の唯一の作品集からも収録しています。
2人は既に「ニュー・コレギウム」のメンバーとして、テレマンの多彩な室内楽を収めたアルバムを「Ramee」レーベルからリリースしており、著名な大作曲家の作品の新たな切り口として好評を博しています。とくにダヴェーナは「Passacaille」レーベルで18世紀ナポリの作曲家たちをとりあげたアルバムも2作制作しており、イタリア後期バロック作品への圧倒的な適性で注目を集めてきました。リコーダーは一連の先行盤と同じく、アムステルダムと東京に工房を構えるリコーダー奏者・製作者・斉藤文誉氏の楽器が使用されています。ヴェネツィアの歴史的建築オスペダレット養育院跡の音楽ホールでの録音。(輸入元情報)
【収録情報】
● 伝ヴィヴァルディ:リコーダー・ソナタ ヘ長調(ヴェネツィア・ベネデット・マルチェッロ音楽院図書館所蔵)
● 伝ガスパリーニ:優美なスピネットのためのソナタ イ短調『S.I.(イザベラ夫人)のために』(ヴェネツィア、クェリーニ・スタンパーリア財団図書館所蔵)
● ビガーリア:ソナタ第5番ホ短調(ヴァイオリンあるいはリコーダーと、チェロもしくは通奏低音のための12のソナタ Op.1、1722年頃アムステルダムで出版)
● 作者不詳:ソナタ ニ長調(ヴェネツィア、クェリーニ・スタンパーリア財団図書館所蔵)
● 作者不詳:リコーダー・ソナタ 変ロ長調(ヴェネツィア・ベネデット・マルチェッロ音楽院図書館所蔵)
● ガスパリーニ:スピネットによるトッカータ『ガスパリーニ氏のイザベラ夫人のために』 ニ長調(ヴェネツィア、クェリーニ・スタンパーリア財団図書館所蔵)
● ビガーリア:ソナタ第2番ト長調(ヴァイオリンあるいはリコーダーと、チェロもしくは通奏低音のための12のソナタ Op.1、1722年頃アムステルダムで出版)
● 作者不詳:シンフォニア第2番ハ長調(ヴェネツィア、クェリーニ・スタンパーリア財団図書館所蔵)
● 作者不詳:リコーダー・ソナタ ハ長調〜第3楽章『Adagio』(ヴェネツィア、国立マルチャーナ図書館図書館所蔵)
イネシュ・ダヴェーナ(リコーダー)
使用楽器:斉藤文誉(アムステルダム)製作
G管アルト(2017)、F管アルト(2013/N.カステル製による複製)
F管アルト(2005、2011/ヤーコプ・デンナー製による複製)
D管ヴォイス・フルート(2015/ヤーコプ・デンナー製による複製)
クラウディオ・ヒベイロ(チェンバロ)
使用楽器:フロリンド・ガッツォーラ製(パドヴァ、1992/作者不明の17世紀ヴェネツィアの楽器による複製)
1/6コンマ・ミーントーン
ピッチ:A=415Hz
録音時期:2018年10月15-17日
録音場所:ヴェネツィア、オスペダレット音楽ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)