"Cantelli / Nbc.So Mozart, Rossini, Schubert, Bartok, Etc"

世の中には若くして命を散らしてしまった、惜しむに惜しみきれない天才がいるものですが、20世紀の指揮者ではグイド・カンテッリがその筆頭にあげられる存在でした。
　1920年イタリアのノヴァラ生まれ。1945年、スカラ座のオーケストラを指揮して注目を集め、その演奏を聴いたトスカニーニから｢彼は自分と同じような指揮をする｣とその才能をたたえられます。1949年には、そのトスカニーニによってNBC交響楽団の副指揮者に招かれ、以後コンサートとオペラに破竹の大活躍。1957年にはスカラ座の音楽監督への就任が決まっていましたが、1956年、パリ郊外のオルリー空港で飛行機の墜落事故のため、36歳の若さで世を去ってしまいます。
　そのためスタジオ録音は数が少ないのですが、NBC交響楽団とおこなったコンサートはラジオ放送されていたため、かなりの数の音源が残されていたのです。
　今回、その音源を元に、TESTAMENTレーベルがNBC交響楽団との演奏を日付順にリリースすることとなりました。全部でCD31枚に及ぶ膨大なシリーズとなる予定ですが、今回はCD4枚組のセットが1点となります。
　ポール・ベイリーによるリマスタリングが施された音質の良さも要注目です。第１弾発売後には、世界の音楽専門誌がこぞってテスタメントの復刻技術の確かさを絶賛していました。この形態でいけば、８巻で完成というこのシリーズ、道のりはまだ半ばにも達しませんが、それぞれに未出のレパートリーも含み、カンテッリ・ファンにはたまらない内容となっております。

CD1
■ロッシーニ：歌劇『コリントの包囲』序曲
■バルトーク：管弦楽の協奏曲
録音：1951年1月1日

CD2
■シューベルト：交響曲 第２番 変ロ長調 D.125
■ゲディーニ：アホウドリの協奏曲
録音：1951年1月3日

CD3
■ヴィヴァルディ：２つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 作品3-8
■ブラームス：悲劇的序曲 作品81
■ドビュッシー：交響的断章『聖セバスチャンの殉教』
■ストラヴィンスキー：幻想曲『花火』 作品4
録音：1951年1月15日 ■モーツァルト：交響曲 第29番 イ長調 K.201
■ドン・ギリス：プレイリーの日没
録音：1951年1月22日

CD4
■モーツァルト：歌劇『フィガロの結婚』序曲
■メンデルスゾーン：交響曲 第４番 イ長調 作品90 『イタリア』
■ラヴェル：亡き王女のためのパヴァーヌ
■ラヴェル：ラ・ヴァルス
録音：1951年12月1日

グイド・カンテッリ指揮/ＮＢＣ交響楽団
CD1から3まではマンハッタン・センターからの放送で、CD4はカーネギー・ホールからの放送