古典派の到来を準備したフルート芸術を、当時から現存するオリジナル楽器で!
歴史的フルートのコレクターとして世界的に有名なフランクフルトの蒐集家ペーター・シュポアのコレクションから、貴重な18世紀製のオリジナル楽器を厳選、それぞれの楽器が出来た地域と時代に合った名曲を通じてその魅力を紹介してゆくシリーズ第3弾。第1弾のソナタ集も第2弾の協奏曲集もバロック寄りの選曲でしたが、今回はモーツァルトの時代に至るロココ〜古典派の作品を演目に選び、18世紀後半製の楽器も選ばれている点が目を引きます。
21世紀では考えられない総象牙製の楽器も何本か登場。温もり豊かな音色から芯のある頼もしい響きまで、楽器それぞれの特質と音域ごとの魅力を最大限に引き出すアシュリー・ソロモンの妙技は今回も惚れ惚れするばかり。英国屈指の古楽器楽団フロレジウムの層の厚い共演陣も、それぞれに随所でセンス良いアンサンブルを聴かせてくれます。ソナタの形式による収録作品群の合間で、18世紀にも広く愛されたスコットランド民謡の気品ある素朴さが興を添える曲順も絶妙。ライナーノート(英・仏・独語)には各楽器の詳述も掲載されています。末永く味わい続けたい奥深い1枚です。(輸入元情報)
【収録情報】
01. モーツァルト[1756-1791]:フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285
使用楽器:ドレスデンのA. グレンザー1770年頃製作、黒檀製に象牙製リングと銀製キー
02. ランペ[1703-1751]:愛らしいムシクイ鳥よ(歌劇『ディオーネ】より)
使用楽器:ロンドンのC.ジェドニー1760年頃製作、柘植製に象牙製リングと銀製キー
03. ヴィヴァルディ[1678-1741]:ソナタ ホ短調 RV.50(ストックホルムの手稿譜より)
使用楽器:ヴェネツィア(?)のG.カステル1730年頃製作、柘植製に象牙製リングと銀製キー
04. クラゲット[1742-1798]:スコットランドの調べ〜ロジー・オブハン
05. クラゲット:スコットランドの調べ〜パティーズ製粉所の少女
使用楽器:ロンドンのR.ポッター1770年頃製作、柘植製に象牙製リングと銀製キー
06. W.F.バッハ[1710-1784]:ソナタ ホ短調 IBW58
使用楽器:ライプツィヒのJ.A.クローネ1780年頃製作、象牙製に銀製キー
07. チルコット[1700-1766]:リュートを携えたオルフェウス
使用楽器:ロンドンのT.カユザック1世1750年頃製作、象牙製に銀製キー
08. ロカテッリ[1695-1764]:ソナタ ヘ長調 Op.2-8
使用楽器:セルトーヘンボスまたはユトレヒトのF.エーレンス1740年頃製作、象牙製に銀製キー
09. バルサンティ[1690-1772]:スコットランドの調べ〜アボイン卿の歓待、またはカンバーノールド荘
10. バルサンティ:スコットランドの調べ〜ロハーバー湖
使用楽器:ロンドンのT.カユザック1世1780年頃製作、柘植製に象牙製リングと銀製キー
11. ペープシュ[1667-1752]:ソナタ 第16番ロ短調
使用楽器:ロンドンのJ.J.シュチャート1740年頃製作、象牙製に銀製キー
フロリレジウム(古楽器使用)
アシュリー・ソロモン(フラウト・トラヴェルソ)
ローワン・ピアース(ソプラノ:02,07)
アガタ・ダラスカイテ、アリス・エヴァンズ(ヴァイオリン)
エリツァ・ボグダノヴァ(ヴィオラ)
ジェニファー・モーシェス(チェロ)
フレッド・ヤーコプス(テオルボ)
スティーヴン・ディヴァイン(チェンバロ)
録音時期:2023年4月
録音場所:オランダ、ロッテルダム近郊、ローン教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)