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殺人は容易ではない(仮題)アガサ・クリスティーの法科学

Carla Valentine

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784759823523
ISBN 10 : 4759823522
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ミステリの女王と称されるアガサ・クリスティー。稀代のストーリーテラーとして、世界中で愛されている作家である。同時にクリスティーは、法科学の専門家ともいえる一面を、その物語から垣間見せてもいる。本書では、ポアロやミス・マープルといった魅力的な登場人物を通して描かれる法科学を紹介し、“法科学者”としてのクリスティーに焦点を当てる。

目次 : 第1章 指紋/ 第2章 微細証拠/ 第3章 法弾道学(銃器)/ 第4章 文書と筆跡/ 第5章 痕跡、凶器、傷/ 第6章 血痕の分析/ 第7章 検死/ 第8章 法医毒物学

【著者紹介】
カーラ・ヴァレンタイン : 8年間さまざまな遺体の検死解剖に携わってきた解剖病理技師。法医人類学と考古学の知識も得て、現在は、ロンドンの聖バーソロミュー病院の博物館で5000を超える解剖学的試料を管理している

久保美代子 : 翻訳家。大阪外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    クリスティー作品における犯罪に使われた毒薬や拳銃、指紋に血痕から文書鑑定に至るまで科学捜査の展開を元検死医が解剖していく。彼女が第一次大戦期に看護師や薬剤師を務め、医学の素養を身につけていたのは有名だが、それ以外の犯罪方法や捜査手法の進展についても学びも怠らなかった様子がわかる。こうした研鑽があってこそ、ポワロやミス・マープルと殺人犯が熾烈な頭脳戦を展開する様を読者は堪能できたのだ。クリスティーの作品論は多いが、法医学の専門家でなければ書けないトリビアの数々は実に楽しい。ファンなら絶対手許に置きたい1冊。

  • くさてる

    指紋、微細証拠、文書と筆跡、血痕……クリスティの作品に描かれる法科学をテーマに、その科学の歴史と詳しい内容を丁寧に解説したもの。クリスティの小説といえばすでに数十年前の作品になるけれど、時代の流れと科学の進歩、また同時にそれでも変わらない殺人に至るまでの人間の激情などにまで思い至る、濃い内容の一冊でした。クリスティファンはもちろん、法科学に興味ある人におすすめです。

  • 本の蟲

    古いミステリを読んでいると、現代では通用しないトリックもまれにある。最新の研究から古典ミステリを論破する本と思いきや、アガサ・クリスティがどれほど科学捜査に精通し、知識をアップデートし、作品に生かしてきたという内容で返り討ちに合った気分。指紋、微細証拠、法弾道学、法医病理学等、その研究の歴史、おそらくアガサも参考にしたであろう、科学捜査が決め手で解決した実際の事件の数々。そして、その知識や手法を取り込んだアガサ作品での具体例。科学捜査の知識がミステリという娯楽で、一般大衆に周知されていった軌跡がわかる一冊

  • sun12

    法医学の専門家が見るとクリスティがこんなにも先進的で探究心に溢れた作家だったということを知り、新鮮な驚きを覚えた。クリスティの何が好きかって、やはり細やかに描かれた人間の感情の動きだ。今の私たちと同じ種類の情動に駆られた登場人物にグッと引き込まれ、その暗く鮮やかな犯行のプロセスを作家のきらきらした目が作り出していたのだと想像する。すると、ページの中では人が残忍に殺され、陰惨な死に方をしているというのに、こちらは実に幸せな時間を味わえるのだ。ありがとう、アガサ。

  • くらげ

    訳文が時々愉快で、原文に当たりたくなる。きっと愉快なんだろうな。クリスティの著作を初期から順番に読み返したくなった。

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