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増補憲法は、政府に対する命令である。 平凡社ライブラリー

C.ダグラス ラミス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582767926
ISBN 10 : 4582767923
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

現日本国憲法は国民の権利ばかり書かれているので、現憲法を改正して、国民の義務や責任についても書き込むべきだという主張があるが、これは、そもそも憲法についての根本的な無知からくる妄言である。憲法とは、政府が従うべき最高規則であり、国民ではなく、国会議員や政府にこそ、日本国憲法を遵守する義務がある。

目次 : 第1章 憲法が国の形や人びとの生活を決める/ 第2章 国民には、憲法に従う義務があるか/ 第3章 前文の「われら」とは、誰のことか/ 第4章 日本国憲法は、誰が誰に押しつけた憲法なのか/ 第5章 押しつけられた第九条と安保条約の意味/ 第6章 人権条項は誰のためにあるのか/ 第7章 思想・表現・言論の自由はなぜ必要か/ 第8章 平等のさまざまな意味/ 第9章 政治活動は市民の義務である/ 第10章 政教分離はなぜ必要なのか/ 第11章 憲法の原則を変えることは、もはや「改正」ではない/ 付論 自民党憲法改正草案は、国民に対する命令である。

【著者紹介】
C.ダグラス ラミス : 1936年、サンフランシスコ生まれ。カリフォルニア大学バークレー本校卒業。政治学。1960年に海兵隊員として沖縄に駐留。61年に除隊。80年津田塾大学教授。2000年3月、同大学を退職。現在は沖縄を拠点とし、執筆や講演などを中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

    沖縄在住のアメリカ人政治学者である著者が、憲法のそもそも論を紐解きながら、自民党が狙う改憲によって、国民が政府を縛る憲法が、政府が国民を縛るものへと変えられようとしていることに警鐘を鳴らした一冊。改憲をめぐっては、とかく9条がクローズアップされるが、それだけでなく、“人あってこその国なのか、それとも国あってこその人なのか”という国のあり方の根本的な考えまでが問われているのだと気づかされる。改憲が現実の政治課題になっている時だからこそ、あまり関心がなかった人も含め、多くの人に本書の中身を知ってほしいと思う。

  • 1.3manen

    市民は公のことに責任、重い負担をもつが、政治的自由を味わえる(26頁)。市民には何がよいか何が悪いかを判断する理性がある(39頁)。市民は政府と法律以外の独立した判断基準を持つ(40頁)。日本国憲法は平和外交を基礎とする安全保障政策への大転換として定めている(90頁)。もしも、この言行憲法に付加することがあるならば、人間の安全保障やアメニティという概念をどう位置付けるか。この二つはわたくしのかつての問題意識である。注意したいのは、支配者権力が被支配者の民衆から発生するという事実(146頁)。民衆にも責任。

  • Gummo

    タイトルがこの本の言いたいことを全て表している。憲法は、政府に対する命令であって、国民に対する命令ではない。すなわち、憲法は、政府の権力を制限するものであって、国民の権利を制限するものではない。憲法を学んだことがある人には自明のことだろうけど、某党の憲法改正草案を作った人にはそうじゃなかったみたい。押しつけ憲法上等じゃないか。大日本帝国政府が自分で自分の権力を制限するなんて出来っこなかったんだから。まぁ、冷戦が始まってからアメリカは後悔することになるんだけど、それはまた別の話。 ★★★★☆

  • hal

    読書メーターを見ている全ての人々、更には全ての日本国民にこの本を読んで欲しいと思った。付論“自民党憲法改正草案は国民に対する命令である”だけでも良い!この文を読んでいる時、戦慄に脈拍が上がるのを感じた。このような時代錯誤で悪意に満ちた憲法案が、圧倒的多数議席を持つ政権与党によって提案されていること。現状への不満を理由に、市民が少しでも野次馬的に、何でも良いから変化をというふうに国民投票時の行動をしたなら、日本史の教科書でしか知らなかった世界にこの国が再び突入していくのだということに。続きはコメントで。

  • onisjim

    書名がすべてを語りつくしていて、あとはすべておまけという気がしないでもない。この出落ち感、あまりのストレートっぷりについ買ってしまった。本文も簡明だし、改憲・護憲以前に「そもそも憲法とはなにか」を考えるとっかかりとして悪くないと思う。

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