Panic Of Looking -Brian Eno And The Words Of Rick Holland

77年のソ ロ作品『Before and After Science』、David Byrneとの共作『My Life in The Bush of Ghosts』、ヴォーカル作品の名盤『Another Day On Earth』等を通して続けられてきたい音楽的実験の探求は、英詩人リック・ホランドの詩と出会ったことで結実。そして生み出されたコラボ作『Drums Between the Bells』は、多くのイーノ・ファンに“アルバムの総決算的作品”と評され、世界中のメディアから高評価を受けたのも記憶に新しい。
それから4ヶ月、この驚くべきスパンで届けられたのはリック・ホランドのレコーディング・セッションから誕 生したアルバムの姉妹作ともいえる最新EP『Panic of Looking』。
本作は“ポスト・エブリシング”な今の時代における作詞・作曲プロセスの可能性を追求し続けることで誕生。

The Sunday Times Culture誌は
「これらの詩は歌われてはいない。音楽は単なる背景となることを拒み、頻繁に前面へと飛び出してくる。時には予想外なほど前面へと。そ して普段歌の歌詞を聞き取るのと同じように、我々はこの言葉の意味を捉える。つまり楽曲は紛れもなく歌的 （songlike）なのである」
と解説し、Uncut誌はEnoの音背景について
「これはリック・ホラン ドの詩をヴォーカルへと演出したもののために存在する。
リック・ホランドの詩は、細部にまでこだわった超現 実的なイメージを生み出し、偶然と策略の間に存在する境界線をあいまいにするイーノの音楽と調和するように 並列に配置されている」
と評する。
これらのすべての要素が詰まった全体の統一感はさらに高まり、このプロ ジェクト全体の最後のワンピースとしての役割をみごとに果たしている。

またEno本人によるオリジナル・ アートワークは、この一連の作品群を締めくくる完成型にふさわしい。