Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• mizuki

  読了日：2019/11/21

  「日本は、国際的な安全に関しても、経済的な基盤にしても、世界に頼っている国だという認識をもう一度もたなければいけない」という彼女の言葉を、多くの日本人に届けたいです。天皇制により、これまでの日本は多くの国と関係を結んできました。だからこそこの強みを生かし、これからも武器を持たない国として、各国との絆を深めていくことが大切なのではないかと、考えさせられました。グローバル化が進んでいる現在、他国の紛争に知らん顔をすることはあり得ないこと、また軍事力によって平和はもたらされないことを忘れてはいけませんね。

• 007 kazu

  読了日：2024/07/22

  1999年アメリカでの緒方氏による講演で〆られる本書。その一説「日本の政治的、安全保障上の利害の基礎は全てグローバルなところにある」。この言葉の深みは本書を一読すれば伝わるであろう。政治学者出身でありその知見を活かし「象牙の塔」にこもらず現場に足を運び、現地の勢力と直接交渉を行う。普通であれば余生に入る御年63歳。そこから90年代の10年間を国連難民高等弁務官として活動されたことは天の配剤だったとしか思えない。冷戦が終わり、その綻びが各地で内戦を生み、世界に大量の難民を出した時代である。

• kan

  読了日：2024/10/14

  緒方さんの国際感覚と現場感覚は学者ならではであることがよくわかった。究極の選択の時に官僚主義に陥らず、難民に寄り添い、原則よりも現場の状況と人の尊厳を優先する一貫した行動に改めて尊敬の念を抱いた。純粋なナショナリズムなど存在し得なく、インターナショナリズムの大きな視点で外交戦略を構築すべきという指摘など、根幹を成す金言が多く2003年の出版だが古さを感じさせない。移民政策や対中・対米・対北朝鮮政策に困難が継続し、国内紛争ではなく国家間の戦争が泥沼化している現代、緒方さんなら何とおっしゃるだろうと想像する。

• たかぴ

  読了日：2020/01/31

  図書館本。どんなに困難なことでも何が一番大切かを知っていてブレることがない。難民を助けることが一番であると。そして、現場第一主義。推論を聞くのではなく現場の声を聞いて解決策を探っていく。難民をただ返すのではなくその後の生活まで考えていたこと。自分の国に住むことが出来ないので国を離れたのに状態に変化がなければ戻っても迫害されてしまう。官僚でもなく政治家でもないことが忖度なく行動をすることが出来たそうだ。日本に住んでいると世界は平和だと思っていたのが恥ずかしい。ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

• Willie the Wildcat

  読了日：2012/04/30

  信念に基づくぶれない言動とリーダーシップ。決断力と共にやはり行動力。「小さな巨人」ですね。真摯に敬意。同時に人道支援のジレンマが少なからず理解できる。民族、政治、各国の利害関係など。結局「人の尊厳」以外を優先することが障害。1人1人の地道な努力のみか・・・。「人の尊厳」。これを忘れてはいけない。

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