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痴呆老人が創造する世界

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000238212
ISBN 10 : 4000238213
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

大切にしているものは何か、人間関係のありかたは、過去と今の生活をどのように結びつけているのか。著者が長年にわたって見聞きした病棟でのお年寄りたちの暮らしを細やかに再現し、その世界を解き明かしていく。

【著者紹介】
阿保順子 : 1949年弘前市に生まれる。1970年日本赤十字中央女子短期大学(現在の日本赤十字看護大学)卒業、同年より日本赤十字中央病院などに看護師として勤務。その後、厚生病院附属高等看護学院に看護教員として勤務。在任中の1979年、慶応義塾大学通信教育部を卒業。1981年より弘前大学医療技術短期大学部看護学科非常勤講師。その間1992年弘前大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1993年より東日本学園大学(現在の北海道医療大学)看護福祉学部に勤務。現在、北海道医療大学看護福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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アルツハイマー症が発見されてから100年...

投稿日:2010/08/02 (月)

アルツハイマー症が発見されてから100年たつ今もなお,この病気の原因は定かでなく、世界中の研究者が必死になって原因や機序の解明、治療法や特効薬の開発に取り組んでいますが、この病気の克服にはまだまだ時間がかかりそうです。 と,そんな暢気なことを言ってられるのは身内にアルツハイマー病患者がいないからに他ならず、もしいたとしたら、これはまさに大問題なのです。 なにが問題かといって、とにかく、患者にどう接するかが、最初に、そして最後まで目の前に立ちはだかる問題であるような気がします。それを解決する糸口を与えてくれると思われるのが阿保順子著『痴呆老人が創造する世界』です。これは痴呆症をわずらう人たちの行動を観察し、その深部を洞察しようという試みの成果です。 おそらく日本中の老人福祉施設で毎日のように繰り広げられているであろう日常の仕草や会話を見続けることで初めて彼らの心の奥底を窺い知ることができる。そして、それは、まったくでたらめなのではなく、われわれも理解できる相応の因果性があるのであり、周りの人たちはその思考の奇跡をなぞることで互いに負担の少ない(不幸の少ない)介護ができるのではないでしょうか。本書を読んだあと、そんな感じがしました。 いまはなんでも「理解できぬ」「あいつが悪い」とばっさり切り捨ててしまうのがひとつの流儀のように広まってしまっているような気がしてならないですが、やはり人の気持ちなんて、ぼんやりしてちゃ理解できるわけがなく、努力してこそ理解できるのであり、その努力を惜しまない人こそ、本当にやさしい人なのだと思います。

ポルツマン さん | 岩手県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • takao

    ふむ

  • 紫電改

    登場人物の中に同姓の痴呆老人がおられてドキッとした。老人の方々がそれぞれ個性が強くて読んでいて飽きなかった。ノンフィクションでもないし論文でもない、ちょっと中途半端な取材でそこのところが残念。

  • おたきたお

    以下のフレーズに共感した。:痴呆老人の「話す」行為を無視してはいけない。(中略)とにかく「聴く」耳をもつこと、そして何でもいいから返事をしてくことが大事なのである。その後のことは、当の痴呆老人にまかれればいいと私は思う。どんなに言葉の意味が抜け落ちていこうとも、身の内側の奥深くにしっかりと根付いているさまざまな「かたち」のかけらを拾い集め、なにがしかの新しい状況を創る技を、彼らは獲得していると信じることができるからである。(P156)

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