Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• まーくん

  読了日：2019/07/28

  再読。トロイアの発掘で知られるシュリーマン。ロシアでの貿易業で財を成した後、41歳で一切の仕事を止める。そして、少年時代からの夢である遺跡発掘に取掛る前、世界漫遊の旅に出て、清国と日本を訪れている。1865年、43歳。当時の西洋知識人の東洋に対する率直な見方が知れて興味深い。上海から北京を経て長城を見た後、幕末の日本を訪れている。民間人でありながら、つてを頼り外交官でも立入り困難な倒幕機運で緊迫する江戸の街を訪ね歩いている。その観察記からは我々日本人も最早見ることができない”逝きし世の面影”が感じられる。

• Willie the Wildcat

  読了日：2017/05/28

  海外からの圧力が高まる政治情勢下、不変の日々の生活に垣間見る異文化情緒。見た目の違いを超えた清・日本の人々の優しさに触れる瞬間に心が和む。日本の税関の律儀さに、現代に受け継がれる（良い意味での）役人気質。一方、洟をかむ所作に、失った立ち居振る舞いの優雅さを感じる。著者の考察で興味深いのが「社会階級」。著者の文明定義に繋がる考察と言える。思わず微笑んだのが”合言葉”。どうにも忍者が頭に浮かんでしまう。（笑）

• 天の川

  読了日：2022/04/03

  調べ物でちょっと利用のつもりが、面白くて♪トロヤ遺跡発掘以前、武器商人廃業後に世界一周に出かけたシュリーマンの手記。清では万里の長城に感動し、街の不潔さや清国政府の頽廃・衰微、技術革新への後ろ向きの姿勢を指摘する。そして、日本。来日したのは1865年で倒幕運動の最中で、一介の観光客がよく入国できたと思う。彼の眼は偏見がなく、日本の町の清潔さを世界一だと褒め、女性もふくめての識字率の高さ、蒸気機関を使わない面での技術力の高さ、清廉さや遵法精神の高さに感動している。『逝きし世の面影』を思い出した。

• 佐島楓

  読了日：2016/07/28

  トロイア遺跡の発掘で有名なシュリーマンの旅行記。シュリーマンが日本や中国に来ていたことを知らなかったので、興味深く読んだ。特に幕末の日本の様子を好意的かつ詳細に記しており、史料的価値も高い。シュリーマン自身も波瀾万丈な人生を送ってきたとのこと、もっと知りたい。

• ぶんこ

  読了日：2022/04/15

  ドイツ人で、ロシアで成功して巨万の富を得た後1864年から世界漫遊の旅へ。日本の前に立ち寄った清国は、ちょうど14年にわたる戦乱が終結した頃だからでしょうか、紫禁城と思われる場所が管理されずに滅んでいく様を読んでショックを受けました。紫禁城や万里の長城等々、先人の偉業をかえりみない敬意の無さが悲しい。続いて日本へ上陸。そこは清潔で遵法精神が素晴らしいと褒めていました。ただ疥癬患者に溢れていると書かれていて、当時を舞台にした小説では触れられていなかったので驚きました。外から見た日本を知ることができました。

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