CD

Bartok/Lutoslawski: Concerto For Orchestra.Etc

Bartok (1881-1945)

User Review :5.0
(2)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
UCCT2058
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD

Product Description

パーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ響による
バルトークとルトスワフスキの二大オケコン!

指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーからの委嘱により1943年に書かれたバルトークの『管弦楽のための協奏曲』と、その成功を受けて、指揮者ヴィトルド・ロヴィツキに委嘱され1950年から54年にかけて書かれたルトスワフスキの『管弦楽のための協奏曲』。そして、ルイヴィル管弦楽団から委嘱され1986年に書かれたルトスワフスキの名技的な『ルイヴィルのためのファンファーレ』をアンコール的小品として収録したオーケストラ・ファン注目のアルバムの登場。
 これらの作品はどれも高度な演奏技術を要するもので、現在絶好調のパーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ交響楽団のコンビにはまさにうってつけのプログラム。ちなみに往年の巨匠フリッツ・ライナーは、バルトークの渡米に尽力し、シゲティと共に、クーセヴィツキーに対してバルトークに作曲委嘱するよう働きかけた人物であり、当時はシンシナティ交響楽団の常任指揮者を務めていたということで、シンシナティ響とこの作品にも縁浅からぬものがありそうです。

 20世紀を迎え飛躍的に向上したオーケストラの技術を生かすべく、さまざまな作曲家により数多く書かれることとなった『管弦楽のための協奏曲』の中でも、最も人気のあるのがバルトークの作品で、それに次ぐ人気を誇るのがルトスワフスキの作品。
 バルトークのオケコンは周知の通り、ハンガリーの民俗的な旋律やパロディなども交えながら、高度なオーケストレーションによって、楽員それぞれが重要な役割を果たすという「協奏曲」として書かれているのが特徴で、そこにはバルトーク好みの形式や音階を用いながらも、きわめて明解で合理的な雰囲気の作品に仕上がっているのがポイント。
 ルトスワフスキのオケコンは、ポーランドの民俗的な旋律を用い、部分的に無調による対位法まで交えながら、パッサカリア、アリオーソ、コラールといったバロックを髣髴とさせる技法を導入、20世紀なかばの作品としては聴きやすく、しかもオーケストラのヴィルトゥオジティが存分に発揮される音楽となっています。

 パーヴォ・ヤルヴィは名指揮者ネーメ・ヤルヴィを父に、1962年にエストニアのタリンに誕生。生地の音楽院でパーカッションと指揮を学び、父と共に渡米後、カーティス音楽院とロサンジェルスで指揮の勉強を継続。若い頃にバーンスタインに大きな影響を受けたといいます。
 現在のパーヴォ・ヤルヴィは、オーケストラをよく歌わせ、かつバランスよく鳴らすことにかけて卓越した手腕を発揮することでも知られており、加えてパーカッション出身ということもあって、打楽器系への配慮も万全なのが嬉しいところです。

・ルトスワフスキ:管弦楽の協奏曲
 第1楽章:イントラーダ
 第2楽章:カプリッチョ・ノットゥルノとアリオーゾ
 第3楽章:パッサカリア、トッカータとコラール

・ルトスワフスキ:ルイヴィルのためのファンファーレ

・バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116
 第1楽章:序章
 第2楽章:対の遊び
 第3楽章:悲歌
 第4楽章:中断された間奏曲
 第5楽章:フィナーレ

 シンシナティ交響楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

 録音:2005年5月、シンシナティ[DSD Recording]


【管弦楽のための協奏曲さまざま】

パウル・ヒンデミット
ゴフレード・ペトラッシ
ゾルターン・コダーイ
ベーラ・バルトーク
ヴィトルド・ルトスワフスキ
マイケル・ティペット
ロベルト・ジェラード
エリオット・カーター
ロジャー・セッションズ
ロディオン・シチェドリン
ヘルマン・コッペル
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ
エドワード・グレグソン
アルン・ホディノット
ジョン・マケイブ
マリオ・ピラーティ
ロビン・ホロウェイ(第2番)
ロビン・ホロウェイ(第3番)
レナード・バーンスタイン
ロバート・サクストン
エズラ・レイダーマン
ジェニファー・ヒグドン
ホアン・ギンホアン
アレクサンドル・タンスマン
カレル・フサ
ジョーン・タワー
ピストン
アラン・ローソーン

Track List   

  • 01. Concerto For Orchestra 1. Intrada
  • 02. Concerto For Orchestra 2. Capriccio. Notturno E Arioso
  • 03. Concerto For Orchestra 3. Passacaglia. Toccata E Corale
  • 04. Fanfare For Louisville
  • 05. Concerto For Orchestra (Sz116) 1. Introduzione
  • 06. Concerto For Orchestra (Sz116) 2. Giuoco Delle Coppie
  • 07. Concerto For Orchestra (Sz116) 3. Elegia
  • 08. Concerto For Orchestra (Sz116) 4. Intermezzo Interrotto
  • 09. Concerto For Orchestra (Sz116) 5. Finale

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Comprehensive Evaluation

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このオーケストラ、上手いです。民族色はあ...

投稿日:2011/06/15 (水)

このオーケストラ、上手いです。民族色はあまり感じられませんが、この2曲、適確に、オーケストラの技、迫力、孤独、変態的な所、ハリウッドを思わせる様な格好いいところ、堪能できました。流石、パーヴォ、シンシナティを起用したのも至極当然。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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先ずは、有名なバルトークの管弦楽のための...

投稿日:2011/03/19 (土)

先ずは、有名なバルトークの管弦楽のための協奏曲と、知る人ぞ知るルトスワフスキによる同名の楽曲をカプリングしたセンスの良さを高く評価したい。大方の指揮者は、バルトークの管弦楽のための協奏曲と組み合わせる楽曲は、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽や「中国の不思議な役人」組曲など、バルトークが作曲した有名曲であるのが通例であるが、敢えて、このような特異なカプリングを行ったところに、前述のようなセンスの良さとともに、父ネーメ・ヤルヴィ譲りの広範なレパートリーを誇る指揮者の面目躍如たるものがあると考える。演奏も、これまた素晴らしい名演と高く評価したい。パーヴォ・ヤルヴィのアプローチは、何か特別な個性があるわけではなく、聴き手を驚かすような奇を衒ったような演奏はいささかも行っていない。では、没個性的で内容のない浅薄な演奏かというと、決してそのようなことはないのである。要は、恣意的な解釈を施すことを一貫して避けていると言うことであり、その結果、嫌みのない、あざとさのない自然体の美しい音楽が醸成されるのに繋がっていると言える。そして、細部に至るまでニュアンスが豊かであり、どこをとっても豊かな情感に満たされているのが素晴らしい。もちろん、ルトスワフスキの第1楽章及び終楽章、ファンファーレなどに聴かれるように強靭な力強さにもいささかの不足はなく、パーヴォ・ヤルヴィの卓越した表現力の幅の広さを感じさせてくれるのも見事である。バルトークの管弦楽のための協奏曲には、ライナーやオーマンディ、セル、ショルティなどのハンガリー系の指揮者による名演や、カラヤンなどによる演出巧者ぶりが発揮された名演が目白押しであるが、ルトスワフスキの作品も含め、ゆったりとした気持ちで音楽それ自体の魅力を満喫させてくれるという意味においては、本演奏を過去の名演と比較しても上位に掲げることにいささかの躊躇もしない。これは、正に、パーヴォ・ヤルヴィの類稀なる豊かな音楽性の勝利と言えるだろう。シンシナティ交響楽団も卓越した技量を示しているのも素晴らしい。本盤が、2006年のレコード・アカデミー賞を受賞したのも当然のことであると考える。マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音も、本盤の価値を高めるのに大きく貢献している。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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