"Cello Sonatas : Iten, Zipperling, Naoki Kitaya, Conte "

ジャン＝バプティスト・バリエール：チェロ・ソナタ集

ジャン＝バプティスト・バリエール（1707−1747）は、もともとヴィオール奏者・作曲家でしたが、この時期すでにフランスではヴィオールからチェロの方が優位となったためチェロ奏者に転向し、この時代のチェロの巨匠のひとりとなりました。彼はヴェルサイユ宮より特権を与えられ、1733年から多くのチェロ・ソナタを作曲し、それらの曲と演奏は多くの聴衆を魅了しました。彼の創造性の頂点に達した40歳に最後のチェロ・ソナタ集を出版後に亡くなりました。
　彼のソナタ集は、色調と感情的な共鳴、深いソノリティによっており、複雑な運指によるテクニックも必要とします。またイタリア風とフランス風の２つの要素を取り入れ、音楽との会話が保たれています。現代においてもこれらのソナタ集は多数出版されており、チェロを学ぶものにとっては避けて通れない作品ではありますが、残念なことにほとんどCDとなっていないのが現状のようです。
　ヨナス・イテンは、1972年生まれ。チューリヒ・トーンハレの首席チェロ奏者だった叔父に７歳より学び、その後アントニオ・メネセスに学びました。バロック音楽にも興味をもち、チェンバロのヨハン・ゾーンライトナーに古楽を学んでいます。その後ルツェルン音楽祭をはじめ様々な賞を受賞し、ヨーロッパを中心にソリストとして活躍しています。今回の録音では、ベテラン・オリジナル楽器奏者を通奏低音に迎えているのも見逃せません。18世紀オーケストラやカメラータ・ケルンなどの首席バロック・チェロ奏者として有名なライナー・ツィパーリング。日本人ながらヨーロッパで飛躍的な活躍を続け、2007年凱旋日本公演で絶賛を浴びたチェンバロ奏者、北谷直樹氏。ホプキンソン・スミスの愛弟子であるロザリオ・コンテによって、この作品の本質に迫ります。（ＢＭＧ）

・チェロ・ソナタ集第4巻 第6番 ハ長調
・チェロ・ソナタ集第2巻 第4番 ホ長調
・チェロ・ソナタ集第2巻 第2番 嬰ヘ短調
・チェロ・ソナタ集第4巻 第2番 イ長調
・チェロ・ソナタ集第3巻 第6番 ト長調
・チェロ・ソナタ集第3巻 第3番 ハ長調
　ヨナス・イテン（チェロ）
　北谷直樹（チェンバロ）
　ライナー・ツィパーリング（チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ）
　ロザリオ・コンテ（テオルボ、バロック・ギター）

　録音：2008年8月9-11日　フランクフルト、フェステブルク教会
　DSDマスタリング
　SACD Stereo /CD Audio: STEREO