Sept-les Anges De Sinjar(Hovhannisyan & Petrossian): B.mantovani / Ensemble Orchestral Contemporain

天使と悪魔の二面性を鮮烈に描いたバレエ作品

アルメニアの作曲家、アラム・ホヴァニシアン[1984-]とミハイル・ペトロシアン[1973-]の共作による『7〜シンジャールの天使たち』。モンテカルロ春の芸術祭の委嘱で書かれ、2022年3月27日に初演されたバレエ作品です。初演に先立つ2021年11月にレコーディングされたのがこのCD。
　ヤジディ教徒の神話に着想を得た作品で、神が1週間かけて天使を創造していくさまが描かれています。時間軸は逆さまになっていて、土曜日に始まって金、木、水・・・と遡り、各日1人の天使が生まれていき、最後に主役である「孔雀の天使」が現れます。それぞれの天使のテーマにはヘブライ、アラブ、アルメニア、ペルシャなど、この古代宗教を取り巻く世界の音楽が引用され、独特な雰囲気に包まれています。またヤジディ教は善と悪が一体化した宗教であり、その二面性は作品の最後に悪魔の化身でもある「孔雀の天使」が登場することでクライマックスを迎えます。2人の作曲家による共作というのも、二面性をより鮮烈に表現するための手法と言えるでしょう。薄い響きからトゥッティに向かっていく慎重な楽曲構成も巧妙です。（輸入元情報）

【収録情報】
● ホヴァニシアン＆ペトロシアン：バレエ音楽『7〜シンジャールの天使たち』

1. 時の流れI〜ピッコロのための
2. 土曜日〜G管フルートのための
3. 時の流れII〜ファゴットとハープのための
4. 金曜日〜イングリッシュホルンとヴァイオリンのための
5. 時の流れIII〜打楽器のための
6. 木曜日〜バスクラリネット、マリンバとコントラバスのための
7. 時の流れIV〜ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための
8. 水曜日〜トランペットとファゴットのための
9. 時の流れV〜フルート、イングリッシュホルン、クラリネットと打楽器のための
10. 火曜日〜ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラとハープのための
11. 月曜日〜チェロのための
12. 日曜日の夜、孔雀の天使〜フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ハープ、打楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための
13. 日曜日の昼、孔雀の天使〜ピッコロ、オーボエ、Es管クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ハープ、打楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための

　ホヴァニシアン作曲：2,3,6,7,8,12
　ペトロシアン作曲：1,4,5,9,10,11,13

　アンサンブル・オルケストラル・コンタンポラン
　ブルーノ・マントヴァーニ（指揮）

　録音時期：2021年11月3-7日
　録音場所：フランス、ロワール県、サン＝テティエンヌ地方音楽院
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　ディジパック仕様